心の対話の始め方
いきなりの5W1HはNG
息子と、心の対話を交わすコツをお話ししよう。
先ほども言ったように、まずは、「いきなりの5W1H」は家庭内では使用禁止としてほしい。
ただし、「ケチャップはどこ?」というような質問者本人のアクションに直結する質問と、「どうして?」の代わりに用いられる「どうしたの? 大丈夫?」はその限りではない。
話しかけ方には、6つの方法がある。
息子のトリセツ 1 褒める
「それ、いいね」「カッコいいじゃん」「そんなこともできるの」など恋人のように褒める。
2 ねぎらう
がんばった息子を、「よくやったわ」「がんばったね」などとねぎらう。
3 感謝する
「宅配便、受け取ってくれてありがとう」「お米、運んでくれたの! 助かる〜」など、してくれたことを感謝しよう。
4 自分が見たこと、感じたことを話す
自分に起こった、何でもない出来事をプレゼントすると、それが呼び水となって、相手が自分の気持ちを語り、心の対話が紡がれていくことがある。本当に何でもないことでいい。「あそこの土手の桜、もう蕾(つぼみ)が膨らんでいたよ」「今日はすごい雨だったね」とか。
5 頼りにする
「カレーの味、見てくれない?」「今日のお鍋、なに入れようか」などと、ちょこちょこ頼りにするのもいい。
6 弱音を吐く
母親だって、「つらいから、なぐさめて」「疲れたから、動けない」と言っていい。抱きしめてもらったり、絵本を読んでもらってもいいのである。
<文/黒川伊保子> 黒川伊保子 (株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に従事、2003年現職。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』がベストセラーに。近著に『息子のトリセツ』
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