自分の資産は「自分で守る」しかない
では、受賞した投資信託は本当にあなたに利益をもたらしてくれるのだろうか。日本証券業協会のWebサイトには次のように書かれている。
「評価を利用する際に注意したいのは、その評価はあくまでも過去の実績を基に評価したものであり、今後の運用実績を単純に予測するものではないということです。現在の評価が高くても、今後もその評価が持続するとは限りません」
まったくその通りである。
私の経験からも受賞した投資信託のパフォーマンスが低下することは珍しくない。実は投資信託を運用するファンドマネージャーにとって、資金が急激に集まるのは、パフォーマンスの低下を招く一因なのだ。巨額の資金を運用するとなると、取引の少ない銘柄では難しい。自然と運用スタイルも制限される。多くの投資信託は集まった資金を寝かせておくこともできない。私は受賞を境に運用パフォーマンスが劣化する投資信託をいくつも見てきた。
客観的で公平であるべき立場の評価機関でさえ、実態はこの有り様だ。結局のところ、あなたの資産はあなた自身で守るしかない。それが投資の世界の厳しい現実なのだ。
文・或る銀行員/ZUU online
【こちらの記事もおすすめ】
>1万円から始められる投資って?
>リスク許容度がわかる10のチェックリスト
>「おつり投資」「ポイント投資」って?
>楽ちん「投信つみたて」とは?
>投資のはじめの第一歩