2020年は新型コロナウイルス感染症拡大対策のために、家で過ごす時間が長かった方も多いのではないでしょうか。

今回は、主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』の調査機関、しゅふJOB総研が行った『2021年に働く主婦が優先したい時間』についてのアンケート調査をご紹介します。

2020年に優先した時間1位「家族とのコミュニケーション」47.3%

まずは2020年の振り返りから。2020年、働く主婦はどんな時間を優先してきたのでしょうか。

働く主婦が「2021年に優先したい時間」1位は︖ 〜しゅふJOB総研調査〜
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

◆2020年を振り返って、あなたが優先してきた時間は何でしたか?

という問いに対して、最も回答が多かったのは「家族とのコミュニケーション」47.3%。

次いで「家事・育児・介護の時間」41.7%です。

2月から新型コロナウイルス感染症が流行しはじめ、緊急事態宣言の発信や全国一斉休校、テレワーク化の推奨、ステイホームの実践など、お家で過ごす時間が長くなった影響もあるでしょう。

その他を回答した方からはフリーコメントも寄せられています。

◇その他を回答した人のコメント

ボランティア活動の時間
コロナ禍によって感染防⽌に気を使う時間が増えた
不妊治療
就職活動
自分の時間
家族の介護
家族の精神的なサポート
心身ともに健康の維持
愛犬とのコミュニケーション
PTA活動の時間

2018年~2020年3年間の比較

同調査は2018年、2019年にも実施されています。コロナ禍前と現在では、違いがあるのでしょうか。3か年の比較を見てみましょう。

働く主婦が「2021年に優先したい時間」1位は︖ 〜しゅふJOB総研調査〜
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

2020年は「家族とのコミュニケーション」に最も回答が多く集まっていますが、2018年、2019年のコロナ禍前には「家事・育児・介護の時間」が最も回答が集まっています。

また、2018年、2019年には上位3つに入らなかった「休息・睡眠時間」の回答数が増えています。

◆2018年に主婦が優先した時間(上位3つ)

家事・育児・介護の時間 48.7%
家族とのコミュニケーション時間 40.3%
仕事時間 38.3%

◆2019年に主婦が優先した時間(上位3つ)

家事・育児・介護の時間 51.3%
家族とのコミュニケーション時間 39.6%
仕事時間 36.6%

◆2020年に主婦が優先した時間(上位3つ)

家族とのコミュニケーション時間 47.3%
家事・育児・介護の時間 41.7%
休息・睡眠時間 35.8%

やはりコロナ禍前後とは少し様子が異なっているようです。 では、2021年に働く主婦が優先したい時間を見てみましょう!

2021年に優先したい時間1位「仕事時間」45.0%

働く主婦が「2021年に優先したい時間」1位は︖ 〜しゅふJOB総研調査〜
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

◆2021年にあなたが優先したいと思う時間は何ですか?

という問いに対して、最も回答が集まったのは「仕事時間」45.0%です。

次いで「家族とのコミュニケーション時間」43.8%、「休息・睡眠時間」37.2%となっています。

その他を回答した方からはフリーコメントも寄せられています。

◇その他を回答した人のコメント

未来の目標実現に向けて⾏動する
就活時間
犬が⾼齢なので今以上に近くに居られる時間が割けると良いなと思う
⼦どもの勉強をみる
やりたい仕事
自分⼀人だけの時間

介護
不妊治療のための通院
副業をやってみたい

2021年にはこういう時間を優先したい、という希望が見えてきますが、現実とのギャップもあるようです。以下のグラフを見てみてください。

「2020年に優先した時間」と「2021年に優先したい時間」の比較

働く主婦が「2021年に優先したい時間」1位は︖ 〜しゅふJOB総研調査〜
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

2020年に実際に費やした時間と、2021年に優先したいと希望している時間についての回答を比較したグラフです。

最もポイントの差が開いたのは家事・育児・介護の時間。18.9%の乖離があります。

コロナ禍のステイホームやテレワークもあり、現実的には自宅で家事・育児・介護に勤しんだ人が多かったことと思います。

次にポイントの差が開いたのは資格取得などの勉強時間。16%の差が出ています。

営業自粛や営業時間短縮によるシフト減などの影響もあり仕事を探す人が増えていますが、なかなか仕事に就きづらく資格取得に目を向けている方も多いのかもしれません。

次いで趣味の時間14.9%、仕事時間14.4%、人づきあいの時間12.6%。コロナの外出自粛の影響を受け、習い事を見送ったり、外に出て人に会う機会が減りました。2021年はその時間を持ちたい、と考えている人も多いようです。

主婦にとって2021年は、より外に目が向く年になるかもしれません。

次の年に優先したい時間:3か年比較

2018年~2020年に行ったアンケート結果を比較してみると、働く主婦が優先したい時間が移り変わっている様子が見られます。

働く主婦が「2021年に優先したい時間」1位は︖ 〜しゅふJOB総研調査〜
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

◆2019年に優先したい時間(上位3つ)

家族とのコミュニケーション時間 44.3%
仕事時間  41.3%
趣味の時間 38..4%

◆2020年に優先したい時間(上位3つ)

家族とのコミュニケーション時間 43.0%
休息・睡眠時間 37.5%
仕事時間 36.6%

◆2021年に優先したい時間(上位3つ)

仕事時間 45.0%
家族とのコミュニケーション時間 43.8%
休息・睡眠時間 37.2%

特に変動があったのは「仕事時間」「家事・育児・介護の時間」。

反対に、「家族とのコミュニケーション時間」「休息・睡眠時間」については大きな変化はありません。

プロはどう見る?

しゅふJOB総研(※) 所長の、川上 敬太郎氏のコメントをご紹介します。

■川上 敬太郎氏のコメント■


突然出現した新型コロナウイルスに振り回された2020年。

仕事と家庭の両⽴を希望する“働く主婦層”の仕事と家庭⽣活にも多⼤なる影響を与えました。

「2020年を振り返って、あなたが優先してきた時間は何でしたか」と尋ねたところ最も多くの人が選んだのは「家族のコミュニケーション時間」で47.3%。

⼀方、「2021年にあなたが優先したいと願う時間は何ですか」という質問に対しては「仕事時間」と回答した人が⼀番多く45.0%でした。

「その他」を除くと、「2020年に優先した時間」と「2021年に優先したい時間」のいずれにおいても、最も少なかったのは「人づきあいの時間」です。

「2020年に優先した時間」と「2021年に優先したい時間」を項目ごとに⽐較すると「2021年に優先したい時間」の方が顕著に多いのは「仕事時間」「趣味の時間」「資格取得などの勉強時間」など。

逆に、「2021年に優先したい時間」の方が顕著に少ないのは「家事・育児・介護の時間」です。「優先した時間」の直近3か年の推移を⾒ると2020年の「家事・育児・介護の時間」は最小の数値となっています。

この数値だけみると2020年の働く主婦層は、少し家事・育児・介護から解放されたように⾒えますが、もっと減らしたいというのが本⾳のようです。

また「優先した時間」の3か年⽐較で、2020年の「⼈づきあいの時間」が極端に減っているのは、コロナ禍による外出や3密の回避などが影響しているものと思われます。

「優先したい時間」の直近3ヵ年⽐較を⾒ると、やはり「家事・育児・介護の時間」が減少しています。⼀方で、「仕事時間」は直近3か年で最も多くなっています。

コロナ禍による失業は⼥性の方が影響が⼤きいと⾔われる中、働く主婦層の仕事志向が強まってきているようです。

また、「優先した時間」と「優先したい時間」のいずれにおいても「その他」の⽐率が直近3か年で最も⾼くなっています。じわじわと時間の使い方について多様化が進みつつあるということなのかもしれません。

■調査概要
調査⼿法︓インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数︓ 575名
調査実施日︓2020年11月11日(⽔)〜2020年11月18日(⽔)まで
調査対象者︓ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』登録者

しゅふJOB総研所長 兼 ヒトラボ編集長 川上敬太郎氏 プロフィール

働く主婦が「2021年に優先したい時間」1位は︖ 〜しゅふJOB総研調査〜
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

川上 敬太郎(かわかみ けいたろう)/しゅふJOB総研所長 兼 ヒトラボ編集長

人材派遣、紹介など多様な人材サービス事業に20年以上携わり、事業現場の最前線から経営企画・人事・広報などの管理部門まで、あらゆるセクションの責任者を歴任。2011年に設立したしゅふJOB総合研究所では、仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦層”のべ約35000人の声を調査・分析。同年開設した『ヒトラボ』では、人材サービスの公益的発展に資することを目的に、日々様々なテーマを取り上げて議論の場を提供。その他、人材マネジメントや法規制など、雇用労働分野の幅広いテーマについて意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父。

◇メディア出演等
NHK『あさイチ』解説、フジテレビ『みんなのニュース:ふかぼり』 解説、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』パネラー出演、他新聞・テレビ・雑誌などでコメント多数

◇執筆・その他
マネープラス連載『ワークスタイルの見つけ方』:日本経済新聞/日経MJ/時事通信/NEWSポストセブンなど執筆・寄稿多数/大学や男女共同参画センターなどでの講演、モデレーターなど/JCAST会社ウォッチ解説者、日本労務学会員

<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、 もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」そんな志のもとにつくられた研究所です。「女性のライフスタイルと仕事への関わり方」に対する社会の理解を高め、女性の働きやすい職場をより多くつくっていくために定期的なアンケート等の調査を実施、結果を社会に発信しています。

提供・しゅふJOBナビ



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