選び方、正しく知ろう。
熱中症や夏バテ対策として、「甘酒」を飲んでいる人をよく見かけます。
最近ではスーパーやコンビニでも購入しやすくなっているのは嬉しいことですが、常温ものやチルドものなどいろいろあって、いったいどれを選んだら良いのかわからないという人も少なくないでしょう。おいしくて、健康をサポートしてくれる甘酒を選ぶためにはどうしたらいいのでしょうか?
そこで今回は、日本酒「久保田」のブランドで甘酒を造っている新潟県の蔵元、朝日酒造の日本酒研究センター市川絵梨さんに、“甘酒でおさえておくべき基本”についてインタビューしてきました。
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甘酒が“飲む点滴”と言われるのはなぜ?
──甘酒って、“飲む点滴”とも呼ばれていますよね。それはなぜでしょう?
「甘酒といえば、大晦日や初詣で飲んだイメージから、冬の飲み物と思われがちですよね。でも実は夏の風物詩で、俳句の夏の季語にもなっているんです。江戸時代には暑気払いのために、街中には甘酒屋や甘酒を売り歩く甘酒売りが増えたそうです。
栄養的には、疲れをとるブドウ糖や必須アミノ酸、ビタミン類、腸内環境を整える食物繊維、オリゴ糖などが豊富に含まれているため、夏バテ対策にはピッタリな飲み物だと思います」
──確かに、食欲や体力が低下する猛暑の中では、飲みやすくて消化にもよく整腸作用まで期待できるのは嬉しいですね。そんな救世主的な存在として、“飲む点滴”ってものすごく素敵な例えだと思います。
甘酒には2種類ある。自分好みの後味や風味を見つけよう
──最近は甘酒ブームで、いろんな商品が出回っていますが、正直なところ優劣ってあるのでしょうか? チルド、常温もの、ヘルシーフード関連メーカーが造るもの、久保田のように蔵元が造る本格派まで、いったいどれを選んだらよいかわかりません。
「甘酒は大きく分けて、米麹でつくるものと酒粕でつくるものの2種類があります。また、米麹でつくる甘酒の中でも、米麴のみのものや米麴と米でつくられているものなど種類があります。
酒粕でつくる甘酒はアルコールが含まれている場合もありますので、お子様や妊娠中の方などは、ラベルの表示で確認していただければと思います」
──まずは主原料が米麹なのか酒粕なのかを確認するのが大切ということですね! 久保田は米麹から造る甘酒ですが、ズバリ、おいしい甘酒って何が違うのでしょうか?
「甘酒の風味や甘さ、味の濃さ、粒の感じなど、それぞれ商品によって特徴がありますので、飲む方の好みとしてどの特徴を重視するか考えながら選択すると面白いと思います。
久保田のこうじあまざけを開発するにあたり、麹の風味と適度な甘さ、後に残らないすっきり感、飲んだ時の粒感などを追求しました。また原材料にもこだわっており、米麹は日本酒『久保田』の酒造りのために厳選した種麹を使っています。お米も酒米の五百万石を使っているので、よりすっきり感を引き出せていると思います。日本酒由来の原材料は、酒蔵の甘酒ならではです」
──日本酒由来の原材料というのは信頼できそうですね。私も甘酒は随分飲み比べましたが、麹の風味感や後味のすっきり感は大事だなと感じました。ただ甘ったるいタイプもあるので、本格的なおいしさにこだわるなら、要冷蔵タイプであり、酒造メーカーさんが造る甘酒を試してみるのが良いということですね。