友達目線は大事にしている

「生きてるからうんちもするし」むき出しの女性を描く人気漫画家に聞く
(画像=『女子SPA!』より引用)

――『恋煮込み愛つゆだく大盛り』収録の「いつもはなつにおわる」でセフレが出て行った後に主人公の男性が「あーだる」と言いますね。「だる」のたった2文字の解釈をめぐって友人と議論になったことがあります(笑)。漫画を読んだ後、まるで本人から直接聞いた話みたいに熱くなってしまうのも、にくまん子作品の醍醐味だなと思いました。

にくまん子:友達目線っていうのは大事にしてるので、そう言っていただけると嬉しいです。

――主人公の男女2人だけでなく、妹や友人たちなど、身近にいそうでいない魅力的なキャラクターがたくさん登場します。登場人物には実際のモデルがいるのでしょうか?

にくまん子:この質問されるといつもぼんやりした答えになっちゃうんですけど、モデルはいたりいなかったりです。  これ私だけかもしれないんですけど、「この人のことをモデルにして書いてます!」って言われると、少し気持ちが萎えたりするというか、漫画の中だから安心して読めるみたいなとこがあるので。  完全にいないわけではないんですけど、そのあたりは想像にお任せして、読んでる人が「なんかこれあの子に似てるな」とか「私みたいだな」っていう気持ちを優先してもらえたらいいなと思ってます。

カップル・恋人という表現はあえて使わずに描いた関係

――『こめのめし』の中で特にお気に入りのエピソードがあれば教えてください。

にくまん子:帯でも引用している「ともにいるということ」っていう漫画と、あとは「もっと好き好き」「夜明けのココア」「酔っ払い」とかです。後は妹シリーズも好きですし、「カンカンのクッキー」も。それぞれに思い入れがあって、これもあれも好きだったってなってしまいます(笑)。

――「なんてことない景色なのに時々泣きそうになるくらい神々しくみえるよ君のこと」は、なにげない日常の1ページ漫画ですが、誰かと一緒にいるということは、当たり前のようで実はかけがえのないことなんだなと改めてハッとさせられました。

にくまん子:『こめのめし』では、カップルとか恋人っていう表現は避けるっていうか、あえて表記しないで、この男の人と女の人の関係は成り立っているっていうのを描けたらいいなと思っていました。  良くも悪くも不安定なところにいるけど、一緒にいるときはいとおしいんだなっていうのが描けたらと。