オレンジのマーカーが引かれます。
そこで、今回は、宮口さんに、子どもの認知機能が弱いと学習にどんな困難さが生じるのかを聞きました。
漢字が書けない、黒板の文字が写せない。それは認知機能が弱いから
そもそも、認知機能は子どもの学習にどのように関わっているのでしょうか。宮口さんはこう解説します。
「認知機能は、学習の土台のようなもの。運動に例えると、基礎体力に相当します。鉄棒や跳び箱ができるようになるためには、そのテクニックだけでなく、筋力、持久力、敏捷性、柔軟性、集中力などといった基礎体力が必要です。
これは、学習でも同じこと。各教科を学ぶためには、学習の土台となる認知機能(しっかり見る、聞く、覚える、想像する力など)の力が必要になってきます。
そして、認知機能が弱いと、『漢字が覚えられない』『黒板の文字が写せない』『繰り上がり計算ができない』『話を集中して聞けない』『不注意なことが多い』などといった学習上の苦手感や困難さにもつながっていくのです」
視覚認知に問題があると、文字を覚えにくくなる
こうした学習の基礎を支える認知機能の中でも、特に日々の生活にも影響を与える機能のひとつが、「視覚認知」です。
「視覚認知に問題がある子は、視力が正常であっても、図形や文字を正確に認識する力が弱く、ひらがなや漢字などの習得に困難さを生じるのです」