30代女性が気をつけたいのは「転職の満足度」
30代の転職女性は、企業の中途採用ニーズにマッチした有望な人材である可能性が見えてきました。しかし、気をつけたい落とし穴もあります。それは「転職した後に失望してしまう」可能性です。
一度、非正規雇用になるリスク
転職後も正社員である女性は、現在の職場に入った後に結婚した人がもっとも多く、その割合は約6割です。最初の職場を離れて出産し、その後再就職する人では、その約半数が正社員以外の雇用になります。現在無業である人は、ほとんどが出産のタイミングで離職した人で、出産からの無業は、離職した女性全体で見ると約半数に上るのです。
転職により非正規雇用となることは、その後の正社員復帰を困難にするという意味でハイリスクです。30代女性の転職では、次の職場の雇用形態に注意を払うべきでしょう。
家庭の制約が満足度を下げるリスク
正社員としての転職でも、留意しておきたいことがあります。男性には見られない傾向なのですが、勤続年数3年以上で正社員に転職した人は、他の勤続年数グループよりも現在の勤務先への満足度が低いのです。勤続意志も低めです。
勤続年数3年超のグループは配偶者や子供のいるケースも多いです。報告書では、家庭において男女が担う役割が仕事や再就職に制約を課し、結果として満足度を下げた可能性を指摘しています。家庭的な制約が転職後の待遇や仕事内容に与える影響をどの程度軽減できるかも、30代女性の転職においては、重要なポイントとなるのでしょう。
未経験分野に挑戦したいなら「異業界同職種」の検討を
ここまで見てきたことを総合すると、筆者はあまり未経験分野への転職をおすすめする気持ちにはなれません。せっかくの強みである経験や能力が生かせませんし、不本意な待遇や条件を飲み込んで踏み切れば、転職後に不満を抱える結果になりかねないからです。
それでも自分の希望や周囲の事情により、未経験分野に挑戦するのであれば、これまでのキャリアを生かせる「異業界同職種への転職」を考えてみてはどうでしょうか。業界が変わったとしても、それまで身につけたノウハウやスキル、職務知識は次の仕事に十分に生かせるでしょうし、転職先に強くアピールすることもできるでしょう。
30代の女性なら、裁量権の増えるマネージャーポジションへの挑戦もいいのではないかと筆者は思います。女性管理職が少ない職場であれば「自分が道を切り開く」という思いでチャレンジすることも、とても前向きなキャリアチェンジになるでしょう。
文・菊池とおこ/DAILY ANDS
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