看病の日々に癒しをくれた同居猫
その日以降、みったまりおさんは点滴のため通院を続けました。闘病中、めすねこすちゃんは目が見えず、歩くことがままならなくなっても、自力でトイレへ行き排泄していました。
「だから、動線上に何も物がない状態をキープしていました。トイレ補助もプライドが許さないのか嫌がったので、粗相した時にすぐ蒸しタオルで体を拭けるよう、レンジの中に濡れタオルをセットしていました」
そんな姿を目にしても、もんたろすくんは相変わらずめすねこすちゃんに好き好きアピール。
「ほんとにのんきちゃんでしたが、そんなところがかわいくて辛い気持ちが少し薄れたので、感謝しています」
「もう頑張らなくていいよ」と伝え続けた日々
でも、病は確実に体を蝕み、めすねこすちゃんはついに声も出なくなってしまいました。辛そうな姿を目にしたみったまりおさんはある日の通院帰り、車の中で「もう辛いね。なにもしないで、ねんねこりんしよっか?」と声を掛けました。
すると、めすねこすちゃんは小さな声でニャッとお返事したのです。
「久しぶりに聞いた声がかわいくて愛しくて。車を停め、声を出して泣いてしまいました」
本心を知ったように感じたみったまりおさんは点滴治療を止め、最期までおうちで過ごしてもらうことに。
「けいれんや一時的な呼吸停止を繰り返す姿を見て、ごめんね、お母さんが頑張れなんて言っちゃったからだよね。お母さんは、めすねこすがいなくても大丈夫。お母さんのためなら頑張らなくていい。もう、ねんねこりんしようねってずっと思っていました」
点滴中止から、1週間後。めすねこすちゃんは、とても静かに永遠の眠りにつきました。
「死後はもう痛くないね、頑張ったねとホッとすると共に、2度と声が聞けないことへの悲しみや、本当はまだ生きているのではという想い、置いていかないで、帰ってきてという気持ちで胸がいっぱいになりました」