看病の日々に癒しをくれた同居猫

その日以降、みったまりおさんは点滴のため通院を続けました。闘病中、めすねこすちゃんは目が見えず、歩くことがままならなくなっても、自力でトイレへ行き排泄していました。

愛猫が23歳でガンに。もう声も出せない子が「ニャッ」と返事してくれた日
(画像=『女子SPA!』より引用)

「だから、動線上に何も物がない状態をキープしていました。トイレ補助もプライドが許さないのか嫌がったので、粗相した時にすぐ蒸しタオルで体を拭けるよう、レンジの中に濡れタオルをセットしていました」

 そんな姿を目にしても、もんたろすくんは相変わらずめすねこすちゃんに好き好きアピール。

愛猫が23歳でガンに。もう声も出せない子が「ニャッ」と返事してくれた日
(画像=『女子SPA!』より引用)

「ほんとにのんきちゃんでしたが、そんなところがかわいくて辛い気持ちが少し薄れたので、感謝しています」

「もう頑張らなくていいよ」と伝え続けた日々

 でも、病は確実に体を蝕み、めすねこすちゃんはついに声も出なくなってしまいました。辛そうな姿を目にしたみったまりおさんはある日の通院帰り、車の中で「もう辛いね。なにもしないで、ねんねこりんしよっか?」と声を掛けました。

 すると、めすねこすちゃんは小さな声でニャッとお返事したのです。

「久しぶりに聞いた声がかわいくて愛しくて。車を停め、声を出して泣いてしまいました」

 本心を知ったように感じたみったまりおさんは点滴治療を止め、最期までおうちで過ごしてもらうことに。

愛猫が23歳でガンに。もう声も出せない子が「ニャッ」と返事してくれた日
(画像=『女子SPA!』より引用)

「けいれんや一時的な呼吸停止を繰り返す姿を見て、ごめんね、お母さんが頑張れなんて言っちゃったからだよね。お母さんは、めすねこすがいなくても大丈夫。お母さんのためなら頑張らなくていい。もう、ねんねこりんしようねってずっと思っていました」

 点滴中止から、1週間後。めすねこすちゃんは、とても静かに永遠の眠りにつきました。

「死後はもう痛くないね、頑張ったねとホッとすると共に、2度と声が聞けないことへの悲しみや、本当はまだ生きているのではという想い、置いていかないで、帰ってきてという気持ちで胸がいっぱいになりました」