石川県の能登半島は日本海に突き出た半島で、絶景、独特の文化など観光資源がたくさん詰まったエリアです。今回は公共交通機関に頼らず、自分のペースで回れるドライブでの1泊2日のモデルルートをご紹介します。

【1日目】

9:00 金沢駅を出発

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(画像=aka-region ライトアップされた夜の金沢駅、トリップノートより引用)

金沢駅周辺には、レンタカー会社が数多くあります。その代表格がJR駅レンタカー、日本レンタカー、オリックスレンタカー、トヨタレンタカーなどです。多くのレンタカー会社は、石川県内であれば乗り捨ても超過料金なくできるので、片道だけレンタカーを利用するというスタイルでも構いません。

車を借りたら、さあ、ロードトリップの始まりです!

9:30 千里浜なぎさドライブウェイ

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(画像=aka-region なぎさドライブウェイ、トリップノートより引用)

金沢市内を車で出て間もなく、内灘エリアに到達します。ここが日本で唯一の砂浜ロード千里浜なぎさドライブウェイのスタート地点となります。全長8kmにもわたって、海を横手に見ながらまっすぐに伸びる砂浜道路を走る爽快さはたまりません。ドライブ好きの憧れの道、ぜひ金沢から北上する際に使ってみたいですね。

なお、季節や天候によって走行できない場合もありますので、道路の電子標識等で状況を確認してからドライブウェイに入りましょう。また車や自転車、オートバイの他、釣りや遊泳を楽しむ人もいますので、走行するときには横断者・飛び出しに注意して、速度を落として安全に走行しましょう。

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(画像=aka-region 砂浜の上を走るという珍しい経験ができる(写真の撮影地は、内灘町)、トリップノートより引用)

10:00 能登國一之宮 氣多大社

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(画像=flickr.com 氣多大社(Photo by Ann Lee)、トリップノートより引用)

千里浜なぎさドライブウェイを一気に北上したら、能登國一之宮 氣多大社に立ち寄りましょう。氣多大社は、748年に『万葉集』にその名が出てきて以来、能登国が越中国の一部だった頃から存在し、現在でも北陸道屈指の由緒ある大社です。その名の通り「氣」が多く集まる場所として知られ、縁結びのため遠くから訪れる人もいるようです。

神門をくぐり、拝殿・本殿、白山神社、若宮神社をお参りすることができますが、国の天然記念物となっている気多神社の社叢(しゃそう:神社を囲う森)は、神域「入らずの森」として神聖視されています。神官さんでさえ、年1回奥宮で神事を行う時に目隠しをして入るそう。太古から受け継がれたパワースポットを擁する氣多大社で、能登旅行の安全祈願をしましょう。

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(画像=aka-region 能登國一之宮 氣多大社の手水舎、トリップノートより引用)

11:00 世界一長いベンチ(サンセットヒルイン増穂)

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(画像=aka-region 世界一長いベンチ(サンセットヒルイン増穂)、トリップノートより引用)

そのまま海岸沿いを走行し、世界一長いベンチとしてギネス記録にも認定されたサンセットヒルイン増穂で休憩です。サンセットと言われているように、地理的にも綺麗にサンセットが見られるスポットとなっています。

木製の世界一長いベンチは、海岸線に沿ってどこまでも続いており、圧巻です。また目の前にある砂浜は、ピンク色の桜貝が取れることで有名で、隣接する道の駅でも小瓶に入って販売されています。

また同じく道の駅では、近海で取れる海鮮をふんだんに使った海鮮丼のほか、季節によってメス蟹である香箱丼ランチも注文することができます。能登の海を見て、海の幸に舌鼓を打つのは最高ですね。

13:00 ヤセの断崖

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(画像=aka-region 荒々しい日本海を眺めることのできる、ヤセの断崖、トリップノートより引用)

ここから入り組んだ海岸線に沿って、さらに北上し輪島市方面を目指します。途中、崖と海の織りなす壮大な風景を眺められるスポットが点在しており、中でもヤセの断崖は必見です。切り立った黒いゴツゴツとした崖が遠景に見え、なんとそれが全長30kmにわたってどこまでも続いています。

荒波が作り出した入江には、源義経が兄・頼朝の追手から奥州に逃れる際に48隻の舟を隠したとの伝説も残っています。そんな伝説が生まれるほど入り組んだ地形が風景に独特の奥行きを出しており、荒々しい日本海の波と相まった、ワイルドな風景が見どころです。

15:00 輪島市内へ

いよいよ輪島市内に到着。能登半島での滞在は、温泉を擁する宿泊施設が数多くあるので、輪島市内を拠点とされることをおすすめします。また輪島市内にも輪島塗やキリコ祭りなど、独特の伝統文化が根付いており、立ち寄りスポットも多くあります。

鴨ヶ浦

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(画像=aka-region 海に張り出した遊歩道・鴨が浦、トリップノートより引用)

ここは日本海の海上散歩できるスポット。鴨ヶ浦では、海を近くに感じられる海上散歩路が東西400m、南北150mにわたって続いており、海蝕作用でできた岩礁が集まって歩きやすいように整備されています。猫の地獄、象の鼻、大蛇の瀬など、自然が織りなす岩礁はユーモラスな名前が付けられており、冬には強い季節風を受けて波と泡が綿のように舞い上がる「波の花」も見られます。

なお天候や海の荒れ具合によって、鴨ヶ浦に近づくことが危険な場合もありますので、海の様子を見ながら安全に散策するようにしてくださいね。

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(画像=aka-region 海から陸を眺められる鴨が浦の遊歩道。、トリップノートより引用)

宿泊:輪の風ただよう漆の宿 「お宿たなか」

輪島塗は、輪島市が誇る伝統工芸品で、天然漆を用いた手作りの技が光る逸品となっています。輪島塗は、原材料となる木地に、生漆と米糊を混ぜたもので布を貼って補強し、生漆と米糊、そして焼成珪藻土を混ぜた下地を何層にも厚く施した漆器です。品のある赤や黒の漆器に、中には金箔で蒔絵を施したものもあります。

極上の輪島塗の漆器は、輪島市内の漆器店の他、輪島漆器商工業協同組合が直営販売している、輪島塗会館など、様々なお店で購入することができます。

そんな輪島塗を実際に使いながら滞在もできる漆の宿がお宿たなかです。食事の際の器は、輪島塗を使用し、海や山の幸がふんだんに使われた豪華な食事を楽しめます。能登地方では古くから柱や床板に漆を施し室内装飾用の塗料として使ってきました。お宿たなかでも、床や腰板などに漆が使われ、漆の空間を存分に楽しめます。さらに温泉水を引いているので、アットホームな雰囲気の温泉宿として利用することができます。

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(画像=aka-region お宿たなかの朝食、トリップノートより引用)
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(画像=aka-region お宿たなかのお風呂、トリップノートより引用)

【2日目】

9:00 輪島の朝市

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(画像=flickr.com 輪島朝市の様子(Photo by Centro Ohno)、トリップノートより引用)

輪島市といえば、輪島の朝市が有名です。輪島の朝市は平安時代から始まったという文献もあり、1000年以上も続いています。輪島朝市は通称「朝市通り」と呼ばれている約360mの商店街で毎朝行われており、賑わいを見せています。

朝市組合に加盟する個人・法人が出店しており、生鮮魚介類や加工海産物、草花、工芸・民芸品など地元で生産された食品や生活雑貨が販売されています。地元ならではの掘り出し物に出会え、人懐っこい性格の輪島の人々との会話を通じて、気持ちのよい交流もできる場でもあります。

10:00 白米千枚田

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(画像=aka-region 展望台から眺める白米千枚田全景、トリップノートより引用)

「日本の原風景」として親しまれ、日本の棚田百選、国指定文化財名勝に指定されている、奥能登を代表する観光スポットが白米千枚田です。

日本海に面する小さな棚田が海と重なることで、海の青と田の緑とのコントラストが描く絶景は、見物となっています。水田一面あたりの面積は約18平方メートルと狭小で、約4ヘクタールの範囲に1,004枚の棚田風景が広がります。季節や時間帯によって、様々な表情を見せる棚田の風景は絶景です。

見晴台から見る上からの眺めも格別ですが、ぜひ時間があれば棚田の方向へ階段を降り、遊歩道を歩いてみてください。海と同じ目線で田んぼが見られる風景は、とても美しいですよ。

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(画像=aka-region 日本海と田んぼの風景が楽しめる、白米千枚田、トリップノートより引用)

11:00 珠洲焼資料館

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(画像=aka-region 珠洲焼資料館、トリップノートより引用)

石川県珠洲市で作られる黒っぽい色が特徴の陶器。珠洲焼(すずやき)と言い、土器にも似た重厚な外観が特徴的ですが、実際には軽く、使い勝手が良い陶器となっています。もともと平安時代末期から室町時代後期に生産された焼き物で、現在では様々な作家が現代の生活にも合うような焼き物作りを能登半島で行っています。

釉薬を使わずに焼き上げる珠洲焼は、灰が自然釉の役割を果たし、灰黒色の落ち着いた美しさを醸し出します。使えば使うほど味わいが出てきます。

珠洲焼資料館は、40名以上の作り手によって生産された珠洲焼の作品を見て、購入できる直営店となっています。普段使いの器から観賞用の作品まで、珠洲焼の材質や技法はそのまま、作風の異なる、個性豊かな一品ものに出会えます。おちょこで能登の日本酒を飲めば、味の軽やかさとまろやかさの違いに驚くことでしょう。

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(画像=aka-region 珠洲焼資料館内は、珠洲焼の品揃えが充実、トリップノートより引用)
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(画像=aka-region 窯元直送の珠洲焼資料館内売店。、トリップノートより引用)