退職金

会社の規模に関わらず、1年以上勤務すると退職金が支給されます。1年未満で退職した場合は退職金がありません。

退職金はその名の通り、退職後に一括して支給されます。以前は退職金を中間精算する場合がありましたが、2012年以降、原則として認められていません。 中小企業では、企業が退職金の名目で毎月金融機関に預けて退職時に一括して支払う「確定寄与(DC)型退職年金」という方法を採用している場合があります。

休日、有給休暇

有給休暇は1年に15日で、2年ごとに1日ずつ加算、上限は25日とされています。 法的には日曜日とメーデー以外の祝日を、有給休暇としてこの15日に含めることができます。旧正月、秋夕(チュソク)、その他祝祭日を足していくと年間15日ほどになるので、祝祭日以外の有給休暇日数は少なく設定している会社もあります。

韓国の給与明細の見方

韓国での仕事の探し方&履歴書の書き方
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

給与明細は支給項目と控除項目に分かれています。 支給項目のうち、日本で一般的なのが交通費。しかし韓国では年俸額に含まれるとし、別途支給されることはほとんどありません。控除項目は所得税や健康保険など、日本と変わりない項目が並びます。

ここにあげるのは、韓国の給与明細で一般的に見られる項目です。企業によって項目は異なりますので、給与明細をもらったら確認の上、不明な点は会社の担当部署に尋ねましょう。

しかし、2020年から国で定めた祝祭日も休日としなければならなくなりました。企業規模に応じて段階的に実施され、2022年までには5人以上の小規模事業者にも導入される予定です。企業によって千差万別だった有給休暇が、ある程度、勤労者に確保されつつあります。

支給項目

基本給:기본급여(キボンクビョ)   残業手当:시간외 수당(̪シガンウェスダン)  職務手当:직책수당(チッチェスダン)   賞与金:상여금(サンヨグム)  特別手当:특별수당(トゥビョルスダン)   車両維持費:차량유지(チャリャンユジ)  教育支援:교육지원(キョユッチウォン)   食費手当:식대(シッテ)

●残業手当 常時勤労者が5人以上の会社は、週40時間(規模により44時間)を越えて勤務させた場合、手当を支給しなければなりません。ただし勤労者の同意を得れば、超過勤務した分を代休を取ることで補う「弾力的勤労時間制」や、残業代を年俸に含めて提示する「包括賃金制」を適用することができます。企業により異なるので、契約時に確認しておきましょう。

●ボーナス ボーナス(賞与)に対する法的規定はありません。一般的には提示している年俸額に含まれていることが多いようです。支払われ方は、12で割って月に一度支給したり、名節時に支給したりと企業によってさまざまです。

控除項目

所得税:갑근세(甲勤税、カックンセ)もしくは근로소득세(勤労所得税、クルロソドゥッセ)  住民税:주민세(ジュミンセ)   雇用保険:고용보험(コヨンポホム)   健康保険:건강보험(コンガンポホム)    国民年金:국민연금(クンミンヨングム)  

●税金 月給からは、所得税(甲勤税※)と住民税が引かれます。支払額は月給の額により異なります。 ※甲勤税=甲種勤労所得税。国際連合軍や外国法人から支給される給与は、乙種勤労所得税になります。 ●四大保険 正社員および契約社員の場合、加入義務があるのが四大保険(사대보험、サデポホム)と言われる保険四種です。保険料は月給から天引きされます。 基本的には会社が半額を負担し、残りを勤労者個人が負担することになります。ただし、労災保険にあたる산재보험(サンジェポホム)は100%事業者負担のため、給与明細には記載されません。

給与が支払われないときは…?

外国人に関わらず、韓国人でも給与未払いなどのトラブルが多々あります。その場合、韓国労働部に訴え、それでも解決しなければ訴訟を起こすことになります。 外国人の場合はひとまず「韓国外国人勤労者支援センター」に相談することをお勧めします。

<滞納給与の受け取りまでの流れ> 1.労働部に陳情書提出→勤労者と社長が同席のうえ聞き取り調査 2.監督官による指導 3.支払い不履行時、立件 4.解決に至らなかった場合、民事訴訟(2,000万ウォン以下の場合は小額審判) 5.裁判 6.判決 7.場合によっては会社や代表の財産を処分 8.給与の受け取り 

※一般の民事訴訟は約7ヶ月、小額審判は約30日所要

韓国で不安のないビジネスライフを

韓国での仕事の探し方&履歴書の書き方
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

海外で働くという憧れだけで、十分な知識を持たず就職してしまうと、後で思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。上記にあげたような知識は最低限頭に入れて、入社時には雇用契約書をきちんと確認しましょう。

厳しいビジネスの世界の身を置くと、かけがえのない経験をすることができます。韓国の人々と触れ合い仕事を通じて鍛えられれば、確実なスキルアップ、キャリアアップにつながります。 不安を解消するためになるべく多くの情報を手に入れるようにしましょう。

提供・韓国旅行コネスト

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