三重県の伊勢神宮などと同様、古来より神宮と称される由緒正しい「鹿島神宮(かしまじんぐう)」。境内となっている鹿島神宮の森は、茨城県指定天然記念物であり、貴重な自然環境が残ります。その一画には「御手洗池(みたらしいけ)」と呼ばれる湧水スポットもあり、神聖な場所として親しまれています。この記事では、そんな御手洗池に焦点をあてて、御手洗池の概要、見どころ、湧水グルメが楽しめる茶屋、お水取り、駐車場情報などをご紹介します。
御手洗池(みたらしいけ)とは
御手洗池とは、鹿島神宮(かしまじんぐう)の境内にある湧水スポットです。1日に40万リットル以上も水が湧いているそうで、池になっています。地表に降った雨が約100年の歳月をかけて地層でろ過され、湧き上がってくるのだとか。
御手洗池の水は透明度が高く、泳いでいる鯉や水中の様子がよく見えます。四角い形の池や水中に建った鳥居が珍しく、参拝や散策のほか、写真撮影のスポットとしても人気を集めます。
御手洗池がある場所は、かつては鹿島神宮参拝の玄関であったと考えられています。まず池で身を清めてから、境内に入ったそう。現在もその文化を継承しており、一年で最も寒い時期に人々が池に浸かる「大寒みそぎ」が執り行われています。
鹿島神宮は紀元前660年の創建と伝えられ、「武」の神様が祀られています。必勝祈願、安産祈願、心願成就、商売繁盛などのご利益が。「鹿島立ち」の言葉が生まれた場所でもあり、人生の門出にお参りすると縁起が良いとされます。
御手洗池の見どころ
御手洗池の見どころを4点ご紹介します。
1点目は、水中に建っている鳥居と全体の雰囲気です。昔から、どんな旱魃(かんばつ)時にも絶えることがなかったと言い伝えられる霊泉で、池全体に厳かな空気が漂います。
2点目は、独特の伸び方をしている大木です。池の真上を横切るようにして、木が伸びています。鳥居と同じく、水中に支柱が設置されていて、倒れないように工夫されています。随分と長老のようで、木から木が生えている様子も観察できました。
3点目は、水中の様子です。池に注がれる湧水は透明度が高く、見ているだけで気持ちがすっきりするでしょう。冬には「大寒みそぎ」が行われるため、人が池に入るための階段も見られます。
4点目は、池の周辺に広がる森です。鹿島神宮の森は「水郷筑波国定公園」および「茨城県指定天然記念物」であり、約600種類の植物が生育しています。湧き水近くにも森が広がっていますので、ぜひ目を向けてみては。
湧水茶屋一休(ひとやすみ)とは
座席から御手洗池を眺められる
御手洗池のすぐお隣には、湧水を使ったグルメを堪能できる茶屋があります。約130年前から営業しているという老舗で、平日でも人の出入りが多い人気店です。店先では、地酒などのお土産も販売しています。
座席は、店内か店外か好きな方を選べます。店内は暖色系の照明が優しい雰囲気で、窓際の席からは鹿島神宮の森が見えるようになっています。筆者は囲炉裏テーブル席に着いたのですが、御手洗池がよく見えて贅沢でした。
店外には大きなベンチが複数設置されています。飲み物や簡単な甘味を頂く際は、こちらの席でも楽しめますね。もちろん御手洗池を眺めながら過ごせます。外を選ぶ際は、先にお会計を済ませる必要があります。