今やどこにでもある100均。週末ともなれば買い物袋いっぱいに商品を買う人の姿をよく見かけます。業界最大手ダイソーは、ここ20年右肩上がりの成長を続け、2019年3月末の売上高は過去最高の約4,757億円となりました。

そんな100均について多くの人が気になるのが商品の原価や儲かる仕組みではないでしょうか。この記事では、100均で原価が高い商品を紹介、利益の秘密を探ります。

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100均商品で原価が高い3つの商品と100均のセールス手法

原価が高いことで知られているのが「フライパン」「土鍋」「長柄のほうき」の3つです。ホームセンターなどで売られている同じ商品の金額を見れば、どれほどコストカットをしても100円では作れないと思うでしょう。やはり、これらの商品は原価が100円を超えると言われています。

100円で販売される商品の原価が100円以上では、どう考えても利益は出ません。しかしこうした原価が高い、もしくは原価割れをおこしても、企業側としてはこれらの商品を売る価値があるのです。

例えば100均の商品には、原価が非常に低い商品もたくさんあります。「歯ブラシ」「ビニール傘」「マグカップ」「サングラス・ネクタイ」など。特に歯ブラシは1本あたりの原価がなんと1円程度。

100均では原価が違う商品をすべて100円で売っています。原価の幅は1円から120円程度。儲けの大きい商品、赤字覚悟で売る商品、さまざまな商品があります。

100円では買えないと思われる商品も100円で売られている。これはセールスの手法であり、いわゆる目玉商品ということになります。また、100円という価格で幅広い商品を展開することは集客の要でもあります。

結果として利益の大きい商品が原価割れの商品の穴を埋め、さらに大きな利益を生み出すという仕組みが成り立つのです。

100円で商品を提供するためにはコスト対策が必須

100均が儲かる仕組みは他にもあります。例えば徹底したコスト対策です。100均企業の多くは中国やカンボジアなど材料費や人件費が安い国に自社工場を作り、現地で材料の調達や自社ブランド製品を作ってコストを抑えています。また、商品の購入に関しても以下のようなコスト対策を行っている傾向です。

  • 大量の在庫を抱えたメーカー品を安く買う
  • 中小の製造業者から卸売業者を介さず直接買付を行って流通コストをカットする
  • 人件費となる店舗スタッフの大半をパートやアルバイトとして採用する

このような徹底したコスト対策を行ってきたからこそ、100均は不況の中も売り上げを伸ばして来られたのでしょう。

100均では原価やコストを意識しながら商品をチェックしてみよう

100均で買い物しながら「どうしてこんなに安く商品を提供できるのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。しかし原価や製造・販売コストの面から100均を見るとその理由が見えてきます。100均へ行ったときは原価やコストを意識しながら商品をじっくりチェックしてみましょう。100円で売られている商品の裏に潜む企業努力が垣間見えるかもしれません。

 
文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

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