埼玉県の西部、秩父地方にある長瀞は、豊かな自然と首都圏からの良好なアクセスで、観光はもちろん、キャンパーにも人気のエリア。その中でも、バラエティに富んだサイトと、きめ細やかな運営で年齢性別を問わず支持されているのが「長瀞オートキャンプ場」です。2019年の台風の被害から見事に復興した、いま注目のキャンプ場を徹底取材しました。
長瀞オートキャンプ場とは?
長瀞オートキャンプ場は、荒川の上流部、長瀞渓谷の岸辺にあります。関越自動車道の花園インターチェンジから車で約25分とアクセスも良好。広々とした敷地には、様々なスタイルのオートキャンプサイトのほか、グランピング施設やバンガローも完備。初心者から熟練アウトドアファンまで、幅広いキャンパーに愛されています。
感染症対策に力を入れているのも長瀞オートキャンプ場の特徴。現在チェックインは入口ゲートでのドライブスルー方式で、車に乗ったままでOK。本人確認と検温をしてから会計(現金のみ・カード不可)を済ませ、利用に関する案内を簡単に説明されます。会話による感染を避けるため、詳細を記載されたパンフレットを渡されるので、サイトについてから確認しましょう。
最寄り駅の秩父鉄道・野上駅からは徒歩約20分。駅のある左岸からキャンプ場のある右岸までは歩行者用の橋が掛けられているので電車を利用したキャンプでも楽々です。橋の上から眺める長瀞渓谷とキャンプ場の美しい景色は、これから始まるキャンプへの期待感を盛り上げてくれます。
水害から復興した歴史ある正統派キャンプ場
創業して50年以上が経つ長瀞オートキャンプ場。現在のオーナーの伊藤文子さんは、歴史あるキャンプ場を義理の父親から引き継ぎました。しかし2019年10月、台風19号による記録的な豪雨によって被災。上の写真で伊藤さんが指差すあたりまで濁流が押し寄せ、高台にある管理棟を含め、ほぼ全エリアが壊滅的な被害を受けてしまったそうです。
クラウドファンディングなど、ファンの後押しもあり、2020年6月に再開を果たします。新生・長瀞オートキャンプ場復興のシンボルは、「Tree of hope(希望の木)」と名付けられた広葉樹。豊富にあった樹木のほとんどは、被災時になぎ倒されて枯れてしまいました。この木も瓦礫に押しつぶされていましたが、植え直したところ見事新しい葉や枝を伸ばしたのだそうです。
長瀞オートキャンプ場が女性や初心者に人気なわけ
長瀞オートキャンプ場のフィールドで感じるのは、女性や初心者への気配りです。
特に10ヶ所以上ある水場の使い勝手の良さには定評があります。掃除が行き届いているのはもちろん、手洗い用洗剤が備え付けてあり、半分以上の水場では温水も使えるんです。これって洗い物だけでなく、寒い朝に顔を洗うときに嬉しい気配り。汚さずきれいに使いたいですね。
キャンプの良し悪しを決めると言っても過言でないのがトイレ。数が少なかったり掃除が行き届いていなかったりではテンションも急降下。そんな心配は御無用で、各エリアに点在するトイレはどれも清潔。温水洗浄便座も備えており、女性専用のトイレもあるという充実っぷりです。
女性専用シャワー&パウダールームが充実
女性なら、たとえキャンプでもメイクや身支度は手抜きしたくないもの。長瀞オートキャンプ場には、女性専用のパウダールームを完備。なんと3席もあり、それぞれ洗面台と鏡、ドライヤーを備え付けているので、待ち時間も少なく快適です。
女性専用シャワーはパウダールームの奥に3つ。パウダールーム、シャワーともに、利用可能時間は8:30から22:00となっています。(15:00から16:00の間はメンテナンスのため利用不可)
男女兼用の温水シャワールームは8ブース
男女共用のシャワールームも大充実。清掃の行き届いた8つのブースが用意されています。洗濯機や乾燥機も使えるので、服を汚した時や、長期滞在用の着替えも安心。どちらのシャワールームも利用の際は、入り口にある番号札をとり、終わったら戻せばOK。時間制限はありませんが、手早く済ませ譲り合いをお忘れなく。
長瀞オートキャンプ場で焚き火はできる?ルールは?
焚き火はキャンプの必須科目。長瀞オートキャンプ場では、地面の上で直接火を付ける“直火”は禁止ですが、焚き火台を使えばOKです。焚き火はひとつ間違えば大きな事故や怪我につながりかねません。基礎をしっかり覚えてから楽しみましょう。
炭や灰を片付けるまでが焚き火です。水場のわきに設置された灰捨場に、完全に火が消えたことを確認してから処分しましょう。流しで焚き火台を洗うと、細かな灰が排水溝に詰まるため絶対にNG。汚れが気になるときは、ウエットティッシュなどで軽く拭いてからしまえば車を汚しません。