生活費のサポート②有給休暇や傷病手当金

サラリーマンや公務員は積極利用を

サラリーマンや公務員の場合は、がん治療中働けなくなった場合、有給休暇や傷病手当金を積極的に利用したい。

条件を満たせば、標準報酬日額の3分の2が最大1年6ヵ月支給される。ただ、これも1年6ヵ月分丸々支給されるのではなく、仮にこの間に復帰した期間があると、復帰期間も算入されることに注意したい。いずれにしても申請にあたっては、主治医との連携が重要だ。

生活費のサポート③雇用保険の基本手当て

会社を辞めざるを得ない事態になったら……

どうしても会社を辞めざるを得ない事態になったら、雇用保険の基本手当が当面の生活の支えになる。受給期間は原則1年間だが、がんなどの病気等により継続して30日以上働くことが出来ない場合は、事前に延長申請しておくことで最長4年間の受給猶予が可能だ。これをしておかないと、がんの治療が終わった後、求職活動をしながら失業手当てをもらおうと思っても受給出来なくなる。

また、健保の傷病手当と雇用保険の基本手当は、同時受給はできない。このため基本手当の受給期間延長をしておくと、時期をずらして両方受給することも可能になるわけだ。

「医療費控除」も忘れずに

1年間に10万円以上の医療費を自己負担した場合

最後に紹介する制度として、確定申告の時期が近づいたら、税金の医療費控除も頭に入れておきたい。1年間で10万円以上医療費を自己負担した場合に適用される制度だ。この場合、まず生計を1つにしている家族全員の医療費を合算することを覚えておきたい。通院のために支払った交通費や、風邪薬などの市販の薬を買った費用も申告できる。高額療養費や民間保険の保険金として戻ってきた金額を除いて、10万円を超えていれば、医療費控除を受けられることになる。

そうはいっても冷静さを保てない……「MSW」の助けを

こうした知識を事前に覚えておくことも重要だ。しかし、いざ家族ががんになった場合、冷静でいられる人は少ない。つい申請を忘れたなどということがないよう、ほとんどの病院で常駐している医療ソーシャルワーカー(MSW)の存在も知っておきたい。

公益社団法人日本医療福祉協会のサイトでも確認できる。

医療ソーシャルワーカーは、直接医療や介護をするのではなく、相談援助が仕事だ。これまで述べてきたように、医療費の自己負担を軽くする方法はないかといった相談や、生活、心理的なサポートをするなど「福祉の専門職」として仕事をしている。相談援助に料金はかからないので、積極的に利用して、少しでも「負担」を和らげるようにしたい。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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