東京など4都府県で、5月11日まで3度目の緊急事態宣言が出されている日本。一方、フランスでも3回目のロックダウンが行われています(少なくとも5月初めまで)。

 新型コロナによる死者数は、フランスではすで10万人を超え、日本の約10倍。そんな中、自由を愛するフランスの人々はステイホーム期間にどんな暮らしをしているのか。『パリのおうち時間』を上梓した中村江里子さん(52)に聞きました。

ロックダウンが続くパリ、中村江里子が語る「穏やかなおうち時間のコツ」
(画像=『女子SPA!』より引用)

中村江里子さんは、パリで3人の子育てをしながら、東京-パリを往復して雑誌やテレビで活動。コロナ禍以降は来日することができず、パリからオフィシャルブログやインスタグラムで情報発信しています。

 洗練されたライフスタイルと華やかな交友関係も目を引きますが、なにより堅実で穏やかなその日常に気持ちを寄せる読者も多いようです。ロックダウンが続くフランスはどんな様子なのでしょうか?(以下、「 」内は中村江里子さん)

イギリス変異株の感染スピードがものすごい

──新型コロナウイルスの感染者が高止まりしているフランスで、4月3日から始まったロックダウン。国内はどのようになっていますか?

「この記事が掲載される頃にはまた、いろいろなことが変わっている可能性も多々あるのですが…(取材は4月20日)。現在、同じ規制でフランス全土は3回目のロックダウン中です。イギリス変異株の感染拡大のスピードがものすごくて。学校の春休みを1週間早めてロックダウンがスタートしました。

 自宅から10キロ以内の移動ならば、外出許可証の申請は必要なくて身分証明書の携帯のみで移動が可能ですが、10キロを超える移動については外出許可証の申請が必要になります。ただし、基本的には移動は禁止。仕事や家族の看病などの特別な理由にかぎって、申請書を携帯して移動が可能ということです」

レストランの店内営業は去年10月からずっと禁止

──街の様子はどうですか?

「飲食業やホテルなどの宿泊施設、美術館、映画館は昨年の10月末からずっと休業しています。また、コンサートや舞台なども当然ストップしていて、イベントなどもありません。生活必需品以外のお店は、これまでは休業になったり、営業したりという状況でしたが、いまは完全に休業中です。ですから、外に出ても行くところはないんです。

病院や生活必需品のお店など、すべての施設はマスクをしていないと入れませんし、大きなスーパーマーケットなどではセキュリティの方がいて、マスクをしていないと注意をされます。また、入り口には消毒用のジェルが必ず設置されています。病院の対応についてはそれぞれのようで、私が知るかぎりでは、検温などはなく、事前に体調報告を義務付けているところもあったり、なかったり。

 また、歯科医院での抜歯の際に、親は待合室で待つように指示されたりすることもありますが、日本の友人たちから聞く、入退院、外来受診に関する日本の病院の規制よりは、ゆるやかなように感じます」

<ステイホーム中に、大好きな整理整頓をしている中村さん。「私の特技がもっとも発揮される」と笑うのが、書類の整理だそうです。昨年は夫のバルトさんから「あなたのおもちゃ!」と、スキャナーのプレゼントをされ、嬉しくてすべての書類をせっせとスキャンして、パソコンにデータ保存したと言います。