何か原因があるわけではないのに、なんとなく体が重い、気分がだるいという日はありませんか?大したことないと感じていても、ちょっとした不調は心と体からのメッセージかもしれません。今回は、植物の力を借りて「治す体」をつくっていくための植物療法について、『∴chimugusui』の鈴木七重さんに教えていただきます。

偏頭痛やPMS、不眠など、とても身近なお悩みを改善する方法や、もっと気軽に直感で楽しむハーブや精油の選び方について伺いしました。

体の声に耳を傾ける。日常に取り入れたい植物療法

植物の力で自然に治る体に。自分に向き合う植物療法
(画像=『PARIS mag』より引用)

偏頭痛や生理時の腹痛など、薬を飲んで症状を抑えることは一般的です。しかし、目の前の痛みを消すだけでは、また次の痛みがやってきて不調和がどんどん大きくなってしまいます。「症状は心と体からのメッセージです。一度小さな声を無視してしまうと、次はもっと大きな叫びになって返ってきてしまいます」と鈴木さん。この悪循環を止め心と体を根本から整えるには、生活習慣の乱れの改善はもちろんですが、植物の力を借りて治癒力を高めていく植物療法がおすすめです。

植物の力で自然に治る体に。自分に向き合う植物療法
(画像=『PARIS mag』より引用)

植物療法を手軽に取り入れるコツとして、まずは普段飲む飲み物の1~2杯をハーブティーに変えること。「アロマを焚く余裕がない!という方も、必ず飲み物は飲みますよね。コーヒーをハーブティーに変えてみたり、おうちの中でも朝作って水筒に入れて楽しむのもいいですよね」と鈴木さん。

ハーブにはたくさんの種類、あらゆる味があるため、ハーブティーが苦手だと思っている方でも他のブレンドならおいしく感じることも。まずは少量から気軽に試してみるのがおすすめです。

植物の力で自然に治る体に。自分に向き合う植物療法
(画像=『PARIS mag』より引用)

また、持ち運びが楽ちんなロールオンアロマも最初の一歩におすすめ。『∴chimugusui』では、ローズの香りで体をリラックスさせてくれる「KAN ローズゼラニウムブレンド」と、心身をすっきりと目覚めさせてくれる「SEIローズマリーブレンド」の2種類があります。

例えば休日や仕事のあとのリラックスタイムにはKAN、仕事中や運転中のような集中したいときはSEIというように考えれば、とても簡単に取り入れられますよね。

植物の力で自然に治る体に。自分に向き合う植物療法
(画像=『PARIS mag』より引用)

他にも、『∴chimugusui』では、精油を調合したオイル美容液やボディ・ヘアバームなどの商品も。お手持ちのアイテムを置き換えてみるのもおすすめです。

お悩み別で取り入れるハーブ・精油のある生活

今回は、私たちにとって身近な存在である、低気圧における体調不良、PMSや妊娠における女性特有のお悩み、寝付きなどの改善におすすめのハーブ・精油と、その活用方法を教えていただきました!

① 低気圧における不調に

低気圧の不調は、めまい、だるさ、むくみ、頭痛など、人によってさまざま。めまいやだるさのある人には、ローズマリーやレモンの精油を焚いたり、タオルに少量つけて香りを吸引するのが◎。朝の目覚めが快適になり、1日のコンディションが整います。

植物の力で自然に治る体に。自分に向き合う植物療法
(画像=ローズマリーとレモンの他、ミントの清涼感を加えた「醒 -SEI-」のブレンド精油がおすすめ、『PARIS mag』より引用)

他にも、酸味のある真っ赤なハイビスカスにペパーミントを加えたブレンドハーブティーも、仕事に入る前にぴったりな1杯。体を温めるジンジャーもプラスすると、活力アップに繋がります。

② PMSや生理中の不調に

婦人科系のさまざまな不調には、ジャーマンカモミールがおすすめ。優しく体を整えながら、体を芯から温めたり、気持ちをリラックスさせてくれます。生理前のイライラや生理痛を緩和するセントジョーンズワートや子宮筋の緊張を緩和し痛みを軽減してくれるラズベリーリーフなどをブレンド。

植物の力で自然に治る体に。自分に向き合う植物療法
(画像=「緩 -KAN-」のロールオンアロマ、『PARIS mag』より引用)

外出時やお仕事中の不調には、ロールオンアロマもおすすめです。沈静効果の高いローズやローゼラニウムの入ったロールオンアロマを手首にサッとひと塗りし香りを嗅ぐことで、気分を落ち着かせてくれます。

③ 妊娠中・授乳中のリラックスに

植物の力で自然に治る体に。自分に向き合う植物療法
(画像=エルダーフラワー、レモンバーベナ。単体での販売も、『PARIS mag』より引用)

妊娠、授乳中に安心して飲めるハーブとしておすすめなのが、レモンバーベナとエルダーフラワー。レモンバーベナはさっぱりとしていてリラックスしながら消化を助け、胃の不調を整えてくれます。また、エルダーフラワーは体を温めリラックス効果を発揮。風邪のひき始めにもぴったりなので、風邪薬をなるべく飲みたくない妊娠授乳中に役立ちます。このふたつをブレンドするのもおすすめです。

④ 寝付きの改善に

リラックスは植物療法が特に得意とするところ。寝る前にしっかりと心と体を緩めることで眠りの質がよくなり、翌朝すっきりと目覚めることができます。

植物の力で自然に治る体に。自分に向き合う植物療法
(画像=「緩 -KAN-」のハーブティー01、『PARIS mag』より引用)

ハーブではジャーマンカモミールやパッションフラワー、セントジョーンズワートにほんのすこしラベンダーをブレンドした「緩 -KAN- ハーブティー01」がおすすめ。冴えた頭をゆるませ、自然と眠気を覚えるはずです。

植物の力で自然に治る体に。自分に向き合う植物療法
(画像=「緩 -KAN-」のブレンド精油、『PARIS mag』より引用)

また、電子レンジでチンして蒸しタオルを作り、そこにラベンダーやイランイラン、フランキンセンスなどの中からお好みの精油を一滴たらし、精油のついた部位が直接肌に当たらないようにしながら首の後ろや目の上を温めるのも◎。首肩のこりや目の疲れをほぐし、ぐっすりと眠りやすくなります。

実は、①の低気圧で不調が起こりやすい人も自律神経が乱れている可能性があるのだとか。普段から寝付きを改善することで、自律神経が整い低気圧による不調を緩和することができます。

心と体の直感を大切に、手軽にハーブを楽しもう

植物の力で自然に治る体に。自分に向き合う植物療法
(画像=『PARIS mag』より引用)

ハーブや精油の効果を教えていただきましたが、何がどれくらい効くかどうかは本当に人それぞれなのだと鈴木さんは言います。

「お悩みごとに植物をお勧めすることはできるのですが、表れている症状が同じでも、その人の生活スタイルや体質によって、最適解はさまざまです。知識があるに越したことはないのですが、あまり難しく頭で考えるのではなくて、素直な体の声に耳を傾けてほしい。
例えば、風邪や胃腸の具合が悪いときには、自然と消化のいいものが食べたくなるのと同じように、私たちの体はその時必要としているハーブや精油を『おいしい』『いい香り』だと感じるようにできています。植物を生活に取り入れていくほど、今の自分が欲しているものが見極められるようになるのも、植物療法のおもしろさです」。

ハーブや精油を選ぶことは、自分の心と体に向き合うこと。知識や効用を覚えるというよりは、気になったものをとりあえず手に取ってみることが、次の興味関心に広がっていきます。一朝一夕に解決!というわけにはいかないかもしれませんが、時間をかけながら、自分の体が喜ぶ感覚を探究してみてはいかがでしょうか?

■協力
∴chimugusui(チムグスイ)
ハーブや精油のオンライン販売に加え、植物療法スクールを開講。ただ植物の薬理成分を取り入れるというHow to的な方法論だけではなく、植物と心身に備わっている自然治癒力を活かしていく『在り方』をホリスティックな視点で学ぶことができます。他、初の書籍『ゆるめる 温める 巡らせる』を上梓。


提供・PARIS mag(シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン)

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