家やマンション、土地などの固定資産を買うと、毎年「固定資産税」という税金を払う必要があります。この固定資産税はずっと同じではなく、基本は3年に1度の頻度で金額が変わります。また、昨年と比べて税金の額が増えたな、と思ったら、その理由はこれまで適用されていた軽減措置が終わったからかもしれません。今回は固定資産税の金額が変わる仕組みをご紹介します。
固定資産税はどう決まる?
固定資産税の計算の仕組み
住宅を所有しているときにかかる固定資産税は、土地と建物それぞれについて、固定資産税評価額などを元にした課税標準額に、税率1.4%を掛けて計算します。
税金の額 = 課税標準額 × 1.4%
固定資産税評価額とは、市町村が固定資産税を計算するために土地や建物ごとにつけた価格で、固定資産課税台帳というものに登録されています。自分の資産の評価額については、いつでもこの課税台帳で確認することができます。
3年ごとに評価額は変わる
固定資産税はその時々の適正な時価に課税されるべきなので、本来なら毎年適正な価格を調べるのが理想です。しかしながら、すべての土地や建物を毎年評価し直すのは大変な手間がかかるため、一度評価額が決まると3年はその価格が据え置かれます。つまり、評価額は3年ごとに見直されます。
建物にかかる固定資産税の軽減制度
税金が2分の1に減額される
建物の価格は年が経過するごとに減っていきますが、新築間もない建物は評価額も高く、その固定資産税だけでもかなりの額になります。そこで、新築の建物の場合、一戸あたりの居住床面積が120平方メートル相当分まで、税金が2分の1に軽減されます。
軽減は一般住宅で3年間続く
税金が2分の1になる期間は、通常の建物であれば3年、3階建て以上の耐火・準耐火建築物は5年間です。さらに、認定長期優良住宅の場合はプラス2年間、この軽減制度を受けることができます。つまり、認定長期優良住宅は5年、認定長期優良住宅かつ3階建て以上の耐火・準耐火建築物は7年、建物にかかる固定資産税が半額になります。
新築住宅の減額を受けるための条件は?
この軽減制度を受けるための要件は主に2つあります。1つ目は、2020年3月31日までに新築されたものであること。2つ目は、一戸建ての住宅であれば、床面積が50平方メートル以上、280平方メートル以下であることです。ただし、床面積のうち居住部分が2分の1以上である必要があります。
土地の評価額は6分の1に軽減される
課税標準が大きく減る住宅用地の特例制度
土地にかかる固定資産税のうち、住宅用の土地については、その税負担を軽くする目的から課税標準が軽減される制度があります。
前述のとおり、固定資産税の金額は「課税標準額×1.4%」で決まりますが、この課税標準額が低くなることによって、結果的に固定資産税が減るわけです。
住宅用の用地の課税標準額は、200平方メートル以下の部分は評価額の6分の1に、それを超える部分は3分の1に、と大きく軽減されます。
住宅用地の特例は住宅がある限り有効
建物にかかる固定資産税の軽減は、一般住宅の場合は新築したときから3年間でしたが、住宅用地の特例は、その土地に住宅用の建物がある限り続きます。
逆に、住宅がないと特例が受けられない点にも気をつけましょう。例えば、土地だけ購入して数年後に住宅を建てた場合、住宅がない数年間は特例が受けられず、固定資産税が高額になってしまいます。
固定資産税の仕組みを理解して、税額が上がっても慌てないようにしよう
今回は固定資産税の仕組みを簡単にご紹介しました。固定資産税の金額が大きく変わるのは、3年ごとに土地や建物の評価額が変わったときや、一般の新築住宅であれば3年間の軽減措置が終わったときなどです。仕組みを理解し、できれば自分で固定資産税をおおよそでも計算してみると、4年目から税金が上がったとき、慌てずに対処できるはずです。
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