年金減額リスクに備えた資産運用が重要
厚生労働省の「国民年金及び厚生年金に係る 財政の現況及び見通し -平成26年財政検証結果-」に掲げられている最悪シナリオでは、2055年度には国民年金積立金が枯渇し、現役世代が納付した保険料を高齢者世代へ給付する賦課方式へ完全に移行します。この最悪のシナリオになった場合、所得代替率は35~37%程度と想定されています。
所得代替率とは、現役時代の平均月収のうち何%が年金として受け取れるのかを示す割合のことです。現状のモデルケースでは、手取り月収34万8,000円に対して所得代替率は62.7%なので(「平成26年財政検証」より)、上述の「最悪のシナリオ」がいかに低い水準の所得代替率なのかがお分かりいただけるでしょう。
国が算出したモデルケースの家庭ですら、ゆとりある老後どころか自分の生活すらままならないおそれが生じています。この状況の中で私たちは、自分の老後を守る手段を作らねばなりません。老後の経済破綻を回避するためには、予想される年金給付額の減少を織り込んだ資産運用に取り組むことが望まれます。
資産運用と一口にいっても色々あります。株式投資や外貨投資も一つの手段ですが、たとえば個人型の確定拠出年金に積立をすることで、リタイア時に受け取れる退職金の額を増やすことも対策の一つです。しかし、同時に一つ想像したいのが老後の生活そのものです。老後においては年金のみが収入源になってしまい、他に収入の手立てがなくなりがちです。そうなると年を重ねるごとに手持ちの預金がジワジワと減っていってしまいます。60歳、65歳と言った退職直後は問題ないかもしれませんが、75歳、80歳となっていくにつれ、手持ち資産が減ってゆくのは心細いです。
このように精神的な安定も考えると、資産運用には、株式や投資信託、個人型の確定拠出年金に加えて、老齢に差し掛かっても、毎月安定した不労所得を得られる不動産投資は一考に値することでしょう。
年金だけに頼らず、資産運用を視野に入れよう
現状において年金による老後生活には不安が残ることがわかりました。もちろんあまりにも悲観的になる必要はありませんが、将来のための対策は必要です。
その点において資産運用は、老後の備えに加えて、ゆとりある生活を送るための打開策として活用できます。堅実な運用を念頭に、これからの生活に資産運用をぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
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