アミノ酸系界面活性剤「ラウロイルメチルアラニンNa」は頭皮に優しい?注意点と成分効果を徹底解説【シャンプー解説】
(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)
皆さんはシャンプーを選ぶとき何を重視して選んでいますか? シャンプーの選びかたに、「使われている界面活性剤(洗浄成分)から選ぶ」というものがあります。 界面活性剤には様々な種類があり、戦後から今日にかけてたくさんの成分が開発されてきました。 本記事ではその中でも「アミノ酸系」界面活性剤の「ラウロイルメチルアラニンNa」という成分について、その特徴や注意点を徹底解説します。 実際のシャンプーの例や、どんな方におススメの界面活性剤であるかといった、皆さんのシャンプー選びに直接役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧下さい。

シャンプーに含まれるアミノ酸系界面活性剤とは?

アミノ酸系界面活性剤「ラウロイルメチルアラニンNa」は頭皮に優しい?注意点と成分効果を徹底解説【シャンプー解説】
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「ラウロイルメチルアラニンNa」の紹介をする前に、そもそもアミノ酸系界面活性剤とはどんな種類の界面活性剤なのか、簡単に解説していきます。

そもそも界面活性剤って?

界面活性剤とは、シャンプーをはじめ食器用洗剤や洗濯用洗剤など、家庭内の様々なところで汚れを落とすために活躍している洗浄成分です。

界面活性剤が汚れを落とすしくみには大きく分けて

  1. 汚れを「浮かせる」
  2. 汚れを「はじく」

この二つがあります。

  1. については、界面活性剤の分子には水になじみやすい部分と油になじみやすい部分があるため、両者の間を取り持ってくれ、余剰の皮脂や油汚れといった汚れを浮かせて取り除いてくれるというしくみです。

  2. については、界面活性剤には「泡立つ」という特徴があり、大小様々な大きさの泡が集まり弾けることで、弾ける力を利用して細かな角質やほこりといった異物を取り除いてくれるというしくみです。

界面活性剤の、汚れを「浮かせてはじく」という二つの力のおかげで、水では流せない頭皮や毛髪の汚れをシャンプーによって適切に洗い流すことができます。

「アミノ酸系」とは?

アミノ酸系界面活性剤「ラウロイルメチルアラニンNa」は頭皮に優しい?注意点と成分効果を徹底解説【シャンプー解説】
(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)

界面活性剤の中でも「アミノ酸系」の界面活性剤は、

  1. 水になじみやすいアミノ酸
  2. 油になじみやすい他の物質

これら二つの材料をくっつけて作られたものを指します。

泡立ちの良さや洗浄性能の良さはもちろんのこと、人間の身体や髪の毛を形作るもとになるアミノ酸を原料にしていることで髪の毛と親和性が高く、髪のツヤや櫛通りも良く仕上がるという特徴もあり、近年注目度の上がっている界面活性剤です。

一方で、アミノ酸系の界面活性剤には製造コストが高めという難点もあります。

そのため大規模に販売されている例は多くなく、主にサロンなどで売られているシャンプーに配合されていることが多いです。

ラウロイルメチルアラニンNaの特徴は?

アミノ酸系界面活性剤「ラウロイルメチルアラニンNa」は頭皮に優しい?注意点と成分効果を徹底解説【シャンプー解説】
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それでは、本記事の主役であるラウロイルメチルアラニンNaについて、その特徴や注意点を解説していきます。

刺激が少ないのによく泡立つ!

ラウロイルメチルアラニンNaの特徴は何と言っても

  1. 刺激が少ない
  2. よく泡立つ

この二つです。

ラウロイルメチルアラニンNaはpHが6~7という弱酸性の状況下で最も泡立ちが良いということが報告されています。

pHの変化と起ホウカとの関係はFig.-6とFig.-7に示した。これから明らかなように起ホウカは一般にpH6~7で最高の性能を示し,とくにN-メチル化物がもっともよいアワ立ちを有する。

出典:石井 睦雄, 滝沢 秀光, 薄羽 恭謙, 石川 一男, 森本 圭佑, 秋葉 一(1968)「N-アシル-N-アルキル-β-アラニン塩の合成と性能」

人間の皮膚も通常弱酸性に保たれていますので、弱酸性でよく泡立つことは刺激の軽減に大きく貢献します。

また、ラウロイルメチルアラニンNaは水の硬度によっても泡立ちに影響が少ないと報告されています。

水の硬度とは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムの量の指標のことで、硬度が大きいとカルシウムやマグネシウムが界面活性剤と結合してしまい泡立ちが悪くなる場合があります。

日本の水道水は一般的に一般に軟水のところが多いですが、関東平野や九州地方の一部など地域の土壌の成り立ちによっては硬度が大きいところもあります。

ラウロイルメチルアラニンNaはそういった硬度の影響を受けにくく安定した泡立ちを発揮してくれる界面活性剤です。

出典:川研ファインケミカル株式会社(2013)「アラノンALE」
クリタック株式会社(2017)「全国水質マップ」

注意点は?

ラウロイルメチルアラニンNaについて、明確な危険性の報告はありません。

皮膚や眼に対する刺激や皮膚に対するアレルギー性も、ほとんどないか非常に軽度であり安全な成分と言えます。

強いて言うならば、ラウロイルメチルアラニンNaは他の界面活性剤と一緒に補助的に配合されていることがあるのですが、その組み合わせによっては強い洗浄力が発揮され、皮膚に対して刺激になる場合があります。

例えば、

  1. ラウレス硫酸Na
  2. ラウレス硫酸アンモニウム

といったラウレス硫酸系の界面活性剤と組み合わせられていると洗浄力が強くなり、人によっては頭皮トラブルの原因になる場合もあります。

ラウロイルメチルアラニンNaはどのような人にオススメか?

アミノ酸系界面活性剤「ラウロイルメチルアラニンNa」は頭皮に優しい?注意点と成分効果を徹底解説【シャンプー解説】
(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)

ラウロイルメチルアラニンNaは

  1. 敏感肌の方
  2. 乾燥肌の方
  3. マイルドなシャンプーを使っているがベタつきが気になる方

におすすめです。

ラウロイルメチルアラニンNaは、上記のように「刺激が少ないのによく泡立つ」界面活性剤です。

よって敏感肌や乾燥肌の方には、汚れもしっかりと落として皮膚の健康も守ることができるラウロイルメチルアラニンNaは特におすすめです。

一方、他のアミノ酸系界面活性剤等を利用したマイルドさ重視のシャンプーを使っていて「頭皮や髪のベタつきが気になる」という方にも一度お試しいただきたい成分です。

というのも、たとえばアミノ酸系界面活性剤の中でも「ココイル」と名の付く成分たちは、非常にマイルドな反面洗浄能力が比較的低く、皮脂汚れを十分に落とせない場合があるという欠点があります。

その欠点を補い洗浄能力も十分あるのがラウロイルメチルアラニンNaとなります。

ラウロイルメチルアラニンNaを配合している市販シャンプー例

それでは、実際に販売されているシャンプーの中でラウロイルメチルアラニンNaを配合しているものを紹介します。

これらの中には、ラウロイルメチルアラニンNa自体を主たる界面活性剤として配合しているシャンプーと、ラウロイルメチルアラニンNaを主となる他の界面活性剤の補助として配合しているシャンプーがあります。

ここでは前者のみ紹介させていただきます。

先述のようにラウロイルメチルアラニンNaは製造コストが少し高いという難点があるため、シャンプーの価格も比較的高いものが多いですが、その分性能は高いものがほとんどです。

ここに紹介していないものでも、医薬部外品認定されている「薬用シャンプー」以外のシャンプーでは配合成分は容器の裏の成分表示欄に全て記載されています。

そのため「ラウロイルメチルアラニンNa」と記載があれば配合されているとわかります。

特に、成分表示は配合量の順に記載されているので、最初に書かれているものほど多く配合されているということがわかります。

店頭やサロン等でシャンプーを選ぶ際は手に取って、また通販サイトで購入する際は容器の拡大表示や概要欄の成分表を確認して下さいね。

ラウロイルメチルアラニンNaが配合されている商品オススメ10選

※このランキングはORGANIQUE MAGAZINE編集部員個人の主観に基づいて作成されています。

第10位 アミノメイソン ディープモイスト ホイップクリーム シャンプー ¥1,540(税込)

アミノ酸系界面活性剤「ラウロイルメチルアラニンNa」は頭皮に優しい?注意点と成分効果を徹底解説【シャンプー解説】
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植物由来のアミノ酸系洗浄成分が配合されたシャンプーです。

ポンプを押すだけで、ホイップクリームのような泡が出てくることがポイントです。

泡立てる必要がないので、時短に繋がります。

また、使用感も良く、きめ細やな濃密泡で頭皮や髪の潤いを残しながら優しく洗い上げることができます。

18種のアミノ酸保湿成分配合されており、まとまりのあるなめらかな髪に仕上がります。

第9位 ディアボーテ HIMAWARI オイルインシャンプー リッチ&リペア ¥860(amazon価格)(税込)

アミノ酸系界面活性剤「ラウロイルメチルアラニンNa」は頭皮に優しい?注意点と成分効果を徹底解説【シャンプー解説】
(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)

アミノ酸系のノンシリコンシャンプーです。

髪を優しく洗いあげて、健康的な髪に仕上げることができます。

オイルが入っているシャンプーなので乾燥肌の人オススメです。

皮脂の分泌が多い方には合わないケースもあります。

また、ヒマワリ種子油やヒマワリ種子エキスなどの成分が配合されており、髪のうねりやパサつきを解消する効果が期待できます。

第8位 Bio Lucia ビオルチア シャンプー ¥5,300(送料込み)(税込)

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はちみつのようなとろみのあるシャンプーで、濃厚な泡が立ちであることが特徴的です。

5種類のアミノ酸と植物系洗浄成を使用しているため、肌にも優しいシャンプーです。

そのため、敏感肌の方や乾燥肌の方にもオススメできます。

もっちりした泡で汚れを浮かせるようにパックをするという使い方も楽しめます。

自宅でサロン気分を味うことができる一品です。

第7位 アミノレスキューモイストシャンプー ¥1,595(税込)

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(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)

数種類のアミノ酸が配合されているシャンプーです。

泡立ちがよく、頭皮や髪に優しく洗い上げることができ、まとまりのよい髪に仕上がります。

ビオチンやケラチンやヘマチンといった保湿成分が豊富に配合されていることから、髪に潤いを与える効果も期待できます。

髪にツヤを出したい方にもオススメです。

べリーフローラルの香りが翌朝まで持続することは嬉しいポイントです。

第6位 BOTANIST ボタニカルシャンプー モイスト ¥1,540(税込)

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(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)

汚れをしっかり落としつつ、頭皮や髪に潤いを与えることができるノンシリコンのアミノ酸系シャンプーです。

ボタニストには、髪の状態に合わせて選べる4種類のシャンプーがあり、モイストタイプは、普通肌、乾燥肌向けです。

セラミドNG、加水分解ヒアルロン酸、ダイズ由来脂質といった毛髪補修成分が配合されており、潤いのあるしっとりとした仕上がりになります。

髪のパサつきや広がりが気になる方にオススメのシャンプーです。

また、アプリコットとジャスミンの香りで癒されることができます。

第5位 いち髪 ナチュラルケアセレクト モイストシャンプー ¥1,064(amazon価格)(税込)

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(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)

和草エキスが配合されたノンシリコンのアミノ酸シャンプーです。

頭皮と髪を優しく洗いあげることができます。

合成着色料不使用、硫酸系界面活性剤不使用となっているので、敏感肌の方にもオススメです。

髪を補修・保湿する効果のある成分である米ぬか、ツバキ、ゆずエキスを配合しており、髪に潤いを与え、ダメージレスな髪に導くことができます。

100%天然由来の香料を使用した、シトラスフローラルの香りで癒されることができます。

また、アミノ酸シャンプーの中では比較的安価であることがポイントです。

第4位 第一三共ヘルスケア ミノン 薬用ヘアシャンプー しっとり ¥1,391(amazon価格)(税込)

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(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)

植物性のアミノ酸洗浄成分を配合されています。

洗浄力がマイルドなので、頭皮に負担をかけすぎず、バリア機能を守りながら洗い上げることができます。

そのため、頭皮に必要な潤いを残すことができます。

頭皮のカサつきやフケに悩んでいる方にもオススメできます。

また、低刺激設計なので、小さなお子様でも使えることがポイントです。

泡立ちがよいので、使用感は良いです。

フローラルの香りでリラックスすることができます。

第3位 ちふれ アミノシャンプー 200mL ¥550(税込)

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(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)

ラウロイルメチルアラニンNaをはじめ髪に優しい3つの洗浄成分配合で、クリーミーな泡立ちとしっとりつややかな仕上がりが特徴のノンシリコンシャンプーです。

洗浄能力としては比較的弱めで、髪に優しい処方に重点が置かれた商品です。

無香料ですがラベンダー油配合で自然な香りも楽しめます。

第2位 Kracie マー&ミーシャンプー 490mL ¥423~(楽天市場)(税込)

アミノ酸系界面活性剤「ラウロイルメチルアラニンNa」は頭皮に優しい?注意点と成分効果を徹底解説【シャンプー解説】
(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)

快適な指通りと心地よい香りを保ってくれるノンシリコンシャンプーです。

「ラクトフェリン」と「ホエイ」の二つの保湿成分配合で保湿能力も抜群ですし、安心の植物由来ラウロイルメチルアラニンNaも高配合しています。

洗浄力の強いラウレス硫酸系の界面活性剤ももちろん不使用で、髪と頭皮を優しく洗い上げます。

第1位 BCL Saborino(サボリーノ) 460ml ¥1,540(税込)

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(画像=『ORGANIQUE MAGAZINE』より引用)

ラウロイルメチルアラニンNaのほか、全4種類のアミノ酸系界面活性剤配合のノンシリコンシャンプーです。

他にも「カオリン」というクレンジング成分や、「イソフラボン」「ルイボスエキス」「マカデミア種子油」の3つのスキンケア成分も配合しており、頭皮の汚れをしっかり落とすことはもちろん、ニオイケアや保湿ケアもしっかりできます。

まとめ

ラウロイルメチルアラニンNaについての解説は以上になります。

ラウロイルメチルアラニンNaは非常に優秀なアミノ酸系界面活性剤で、敏感肌や乾燥肌の方を中心に幅広く女性の髪と頭皮の健康維持に貢献してくれます。

「界面活性剤からシャンプーを選ぶ」ことができれば、トラブルが起こった時や新たなシャンプーを探したい時に非常に役に立ちます。

また、オーガニックシャンプーやボタニカルシャンプーといったシャンプーはアミノ酸系の界面活性剤を配合していることが多く、肌の弱い方でも安心してお使いいただけます。

ぜひ実際に店頭や通販サイトにてご自身で成分を確認してシャンプーを選んでみて下さい。

本記事が皆さんのシャンプー選びの参考になれば幸いです。

参考文献

・川研ファインケミカル株式会社(2013)「アラノンALE」
・川研ファインケミカル株式会社(2015)「ソイポン・アラノンによる泡量向上効果」
・石井 睦雄, 滝沢 秀光, 薄羽 恭謙, 石川 一男, 森本 圭佑, 秋葉 一(1968)「N-アシル-N-アルキル-β-アラニン塩の合成と性能」
・石井 睦雄, 渋江 昭夫, 小松 信一郎(1969)「N-アシルN-アルキル-β-アラニン塩の化粧品への応用」
・クリタック株式会社(2017)「全国水質マップ」(2020/08/23アクセス)


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