テクノロジーのスペシャリストが紹介する最新情報

『決定版 FinTech―金融革命の全貌』
(加藤洋輝・桜井駿 、東洋経済新報社、単行本1728円、Kindle版1600円)

IT業界の中でも金融分野に強いNTTデータの経営研究所に属する著者がテクノロジーのサイドから解説する。

例えば、ブロックチェーンについては――世界中に点在するコンピューターにデータを分散するため、破壊・改ざんが困難なネットワークを作る事ができる。そのため、多数の国をまたがるサービスでの認証技術に使う事が可能となった。それにより、仮想通貨が浸透した――といった具合だ。

現在、銀行や証券会社等の金融機関が役割の変更を迫られている事情についても言及。金融機関は、ベンチャー企業との付き合い方やすみ分け方、新たなビジネスモデルを見つけないと不要となる日も訪れる可能性がある、と著者は述べている。

FinTechが我々の生活にどのように影響するのかを解説

『FinTech 2.0 金融とITの関係がビジネスを変える』
(楠真、中央経済社、単行本1728円)

著者によると、金融業界は免許制度と大きなシステム・インフラ投資が必要な事が参入障壁となっているが、実はそれほど難しい事をやっている訳ではない。そのため、法的な規制さえクリアすれば、FinTechによるサービスが金融機関に取って代わるのは、それほど難しい事ではないという。

関連キーワード(ブロックチェーン、API、IoTなど)も一通り解説がされており、この分野の本としてはわかり易い解説本と言える。

海外事例を踏まえて日本の金融サービスの課題と可能性を語る

『Fintechとは何か―金融サービスの民主化をもたらすイノベーション』
(隈本正寛・松原義明、きんざい、単行本1728円、Kindle版1555円)

ほとんどのFinTechの本は、ビジネスサイドの内容と技術(IT)サイドの2つの内容で構成されるが、この本はビジネスサイドを重点的に語った内容となっている。

「伝統的な銀行や保険会社等の金融ビジネスは今後、どうなってしまうのか?」と日本の金融機関に問題を提起したうえで、海外の豊富な先行事例を紹介し、日本の金融機関は、FinTechにより、消滅の危険と新ビジネスのチャンスの両方がある事を解説している。

特に海外の事例紹介が充実しており、実際に海外のFinTech企業に訪問して取材しなければ分からないような情報も多くお奨めである。

文・FinTech online編集部/ZUU online

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