3.不動産の処理からお金面での離婚のプロデュースを

ただ、不動産の共有を単独所有に変えるのは、いわゆる「ノーコスト」で進められるものではない。不動産の所有を話す場合、所有権は「資産」のため、片方が引き取る場合は相応の資産譲渡が必要になる。感情が離れつつあるなかでの、この金銭的な「駆け引き」はとても難しい。

そこで活用できるのが「離婚コンサルタント」だ。お互いの感情の調整と、そのために遅れられない不動産の対応タイミングの「代行」を依頼することができる。実は筆者のようなFPのなかでも、「2人の船出である結婚よりも離婚の際の方が、お金の相談が多い」という話を聞く。今回の連載で特集した年金分割もそうだが、感情が離れ離れになるなかで不動産の処理は大きな課題だ。

先ほどの一括返済など、離婚にともなうリスクも、はじめての場合はなかなかわからないだろう(そもそも2回目、3回目というのもなかなかない話ではあるが)。そのように見えないリスクも、プロに依頼することで予め摘み取るようにしたいもの。

4.お金から「離婚」をポジティブに考える

「離婚をポジティブに考える」をテーマに、年金分割、確定申告の着眼点、そして不動産の共有名義を扱った。結婚したとき、仲良く日々を暮らしているときは、離婚の「り」の字も考えないのかもしれない。

ただ、離婚時の正しい対応、特にお金の対応は、その後のお互いの人生をとてもポジティブなものにする。お金面から「離婚」をポジティブに考える。さまざまな面から、考えていきたいものだ。

文・工藤 崇(FP-MYS代表取締役社長CEO、ファイナンシャルプランナー)/ZUU online

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