さまざまな手法で顔の手入れをおこない、年齢よりも若く見える女性が増えています。でも、その努力も無駄になる、女性の年齢がばれてしまいやすい場所、それが「首」です。今回は、皮膚科歴18年20万人以上の皮膚を診療してきた小原美子先生に、首をキレイにみせるコツを教えていただきます。

首は、しわができやすいうえに目立つ場所。日常生活でちょっとした気遣い、セルフケアをすることによって、首のハリや弾力性を改善することができる部位です。肌の表面をキレイに整える、日常生活での改善点についてご紹介します。

■首をキレイにするケア。肌の表面から防御!

首をキレイにする方法(日常生活の改善編)
(画像=『DRESS』より引用)

首をキレイにするためには、そもそもの肌が滑らかでぽつぽつとしたできものや、表面の細かいちりめんじわがないことが理想的といえます。

実はこの首の皮膚にできるぽつぽつやちりめんじわは、日常のスキンケアや普段の行動を見直すことによって、予防することも可能です。今日からでも首をキレイにするケアをスタートすることができます。

皮膚科医として18年、20万人以上の皮膚を見てきた経験から感じるのは、「首の皮膚は顔や体の皮膚よりも弱い」ということ。

おそらく、顔の皮膚よりも数倍弱いのではないでしょうか。顔の皮膚は、皮脂の分泌が多く肌本来のモイスチャー成分で保護されています。一方で、首の皮膚はそもそも皮脂の分泌が少ないために十分保護されていません。それなのに顔と同様に外気や紫外線にさらされる、全身の中でも一番過酷な状況にある部位といえます。

まずは、首の皮膚を保護することがキレイへの近道といえます。

1. 表面をしわしわにしないために「紫外線対策」

肌をキレイに保つ上で重要なのは、肌の保護。その中でも特に大切なことが、紫外線からの防御です。

紫外線を浴びると「シミができる」というのが、一般的に語られる影響だと思います。確かにそれも大きな影響ですが、実は紫外線を浴びることによるもっと大きな影響があるのです。

それが、肌の老化です。

紫外線の怖いところは、肌の奥深く「真皮」と呼ばれる部位まで到達することです。この真皮に到達した紫外線によって起こることが

・肌の弾力を保つ「エラスチン」の破壊
・肌の厚みとハリを担っている「コラーゲン」の破壊

首をキレイにする方法(日常生活の改善編)
(画像=『DRESS』より引用)

つまり、紫外線を浴びることで肌のハリと弾力が失われ、薄くなりしわしわと小じわが出てきます。この紫外線の影響は絶対に減らしたいですよね。そのためにできる、日常のケアとしては「日焼け止めを首にも塗る」「外出は10時前までと16時以降にする」です。

1. 日焼け止めを首にも塗る

日焼け止めを選ぶポイントとしては、SPF値は20~30程度、PA+++以上がおすすめです。強すぎる日焼け止めは、逆に刺激が強くてかぶれの原因になることもあります。オススメなのは中程度の強さの日焼け止め。それを1日2回。朝のお出かけの前、昼ごろ塗り重ねてください。

2. 外出は10時前までと16時以降にする

紫外線を避けるには、物理的に外に出ないことが一番! 紫外線の強くなる時間を避けて、1日の行動を組み立てられたら理想的。外出する時間を意識するのも首をキレイに保つ上で重要なポイントです。

2. 摩擦、刺激を抑える。ネックレス、タートルネック、ストールの素材を厳選

首をキレイにするもうひとつのポイントは、首にぽつぽつやザラザラなどを作らないこと。実は、この首のぽつぽつやザラザラは、肌への刺激によって出てしまう傾向があります。この刺激をなくすことによって、予防しましょう。

ネックレス・社員証

ネックレスを着けること自体はまったく問題ありませんが、そのネックレスを着けて、汗をかいたときにチクチクすることってありますよね。

他にも、ネックレスの材質による金属アレルギーやデザインによる刺激。こういった、ネックレスを着けているときに感じる刺激は、肌にとって良くないので、刺激を感じたらすぐにネックレスを外すようにしましょう。

番外編ですが、チクチクしなくても気づかないうちに刺激になっている、皆様がよくつけるものがもうひとつあります!

それが、首から下げている社員証など。このストラップ、一見すると金属でもないし、柔らかな素材なので何の刺激にもなっていないように見えますが、毎日つけていること、やや幅広の素材……ナイロンタオルで体を洗うと刺激になるように、知らず知らずのうちに摩擦を起こしています。できる限り、首から下げることををやめてみましょう。

首をキレイにする方法(日常生活の改善編)
(画像=『DRESS』より引用)

タートルネック

紫外線や、冬の寒い風から首を守ってくれるタートルネック、非常に良さそうなのだけども、ここにもひそかな落とし穴があります。インナーとしてタートルネックタイプを着る場合、寒さ対策のためにピタッとしたタイプを着ますよね。でも、ここが注意すべきポイント。ぴったり肌にフィットするタイプは、素材を選ばないと常に肌と摩擦を起こすこととなります。

摩擦を起こしにくい安全な素材は、シルク、レーヨンなどの滑らかなもの。一方、アクリルやナイロン、スパンデックスのような伸縮性の高い素材が配合されているタイプは、摩擦が強くなるので避けた方が安全です。

ストールなど

紫外線からの防御、冬の寒さ対策として、さらには、首元を隠すために使用したり、愛用のストールが刺激になっていることがあります。

そう先ほどからお伝えしている通り、「チクチク」する素材はNG。

・ウール
・アクリル
・ポリエステル

などは、太い繊維の先端や荒い繊維の側面が肌に当たったときに刺激を感じる素材。具体的には30ミクロン(30/1000)より太い繊維を5%以上含むとチクチクを発生しやすくなると言われています。

上記の素材ではこの太い線維が多くみられるため、チクチクしやすいです。たしかに、柔軟剤を使うとやや肌触りは改善しますが、根本的な解決にはなりません。できる限りチクチクしにくい素材を選ぶ方が、よりキレイな首になれる近道といえます。おすすめ素材は、

・カシミヤ
・シルク
・コットン
・レーヨン

などです。

さらに、チクチクするタイプのストールは、フェイスラインのニキビができる原因にもなってしまいます。ご注意ください!

3. スマートフォンばかりいじっていると、首にしっかりしわが刻まれる

首をキレイにする方法(日常生活の改善編)
(画像=『DRESS』より引用)

さて、最後は日常生活での姿勢による首の変化です。首の皮膚はもともと伸ばしたりひねったりするので柔軟性に富んでいますが、それでも同じ姿勢ばかりをしていると、しわが寄ってしまいます。

そう、スマートフォンをいじって下を見てばかりいると、首の余った皮膚が折りたたまれて、くっきりと深いしわが刻み込まれます。スマートフォンを見るときは、ちょっと腕が疲れますが、意識して目の高さに持ってくるようにしましょう。

■首をキレイにする方法まとめ

1.紫外線からの防御
2.刺激を避ける
3.下ばかり見ない

以上、日常生活で首をキレイにするポイントでした。


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