コロナ禍二度目の夏を迎えようとしています。これまでのライフスタイルから大きな変化が生じている今こそ、健康について改めて考えるよいタイミングではないでしょうか。
運動や食生活など、ステイホーム下で生じる問題はさまざま。その中にあって、実はかなり多くの人たちの悩みのタネとなっているのが「睡眠の質」。
首都圏在住20~50代男女・882人にウーマンウェルネス研究会が調査を実施したところ、なんと約63%もの人が「コロナ禍で睡眠の質の低下を感じている」ことが判明しました。
そこで、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)などにも出演する睡眠専門家、医学博士・梶本修身先生が「正しい睡眠法」をレクチャー。良い睡眠を得るためのポイントを教えます!
「睡眠負債チェックリスト」で睡眠の質の低下をチェック
梶本先生によると、睡眠時間の減少や質の低下で十分な睡眠が確保できず、慢性的な寝不足で疲れが蓄積した状態を「睡眠負債」というそうです。
「これを放置すると、自律神経失調症、高血圧や糖尿病など生活習慣病の発症リスクを高めるほか、免疫力の低下まで引き起こしてしまいます」
そこでまずは、本当に自分の睡眠に問題があるかどうかをチェック。なかなか気づきにくい「睡眠負債」の溜まり具合を、下のチェックリストで確認しましょう。
=============== □ベッドに入ると5分以内に眠れる □休日は2時間以上長く寝る □電車に乗ると直ぐにうたた寝する □起床4時間後にも眠気を感じる □いびきをかきやすい □びっしょりと寝汗をかく □就寝前は極力、水分を控えている □寝室の照明を点灯したまま寝る □就寝時、寝室のエアコンを消す □夜中に2度以上、起きてしまう ===============
チェックが4個以上当てはまる人は、「睡眠負債」である可能性が高いそう。すぐに生活習慣を改める必要があります。
さらに、8個以上当てはまるのであれば要注意を超えた危険領域。梶本先生も「ぜひ医師に相談するなど、すぐに適切な対策をとってください」と、警鐘を鳴らしています。
休日の寝だめでは睡眠負債は返済できない
梶本先生に睡眠負債を解消する正しい睡眠法を聞きました。
「まず知っていただきたいのは、睡眠負債は休日に寝だめをしたところでまとめて返済することはできないということ。
睡眠時間を毎日少しずつ増やすことが大切なんです。『30分早寝・30分遅起き』など、睡眠時間を少しでも増やすよう工夫してみましょう。休憩時間の合間を使った『15分昼寝』もじゅうぶん効果的ですね」
また、食生活からも睡眠負債の解消が可能とのこと。睡眠の質に大きな効果のある食べ物もあるのだとか。
「自律神経が疲れると睡眠の質が悪化し、熟睡感が失われてしまいます。これを防ぐのに有効なのが、イミダペプチドという抗疲労物質。鶏むね肉に多く含まれています。1日に100グラムほど摂取するといいでしょう。
ただ、イミダペプチドは披露を軽減する作用を持つ成分なので、日々摂取を継続することが必要。サプリメントなどとの併用がオススメです」
いびき・無呼吸の対策は横向き寝
さらに、睡眠の質の最大の敵といえるのは、いびきや無呼吸。近年では悩んでいる女性も増えているそうです。
「いびきは無呼吸を合併すると、夜間突然死のリスクを高めます。
簡単にできる対策としては、仰向き寝を横向き寝に変えること。これだけで8割の方の症状が軽減しています。ただこの時、肩幅の厚みがあり首が折れないかさの高い枕が必須です。体勢を安定させるために抱き枕も併用してください」