プラス金利時のモデルをマイナス金利の今、使えるのか?

マイナスの時のインパクトがプラスの時の何倍かを表す調整ファクターを政策金利にかけることで、その違いを含めることができる。

(1であれば同じ強さ、5であれば5倍のインパクトの強さを表す。)

長期金利 = 0.189+ 0.022 中小企業貸出態度DI + 0.73 (政策金利X調整ファクター)+ 0.89 LN (米国長期金利)- 0.065 (ネットの資金需要+日銀当座預金残高変化)

調整ファクターが1・2・3・4と変化するに従い、2016年4~6月期の長期金利の推計値(米国の長期金利は1.7%程度を前提)は0.04%・-0.03%・-0.10%・-0.18%と変化する。現在の-0.1%程度の長期金利は、調整ファクターを3~4倍程度とすると、マクロ・フェアバリューと考えることができる。

日銀はマイナス金利政策の導入で、当初の見込みより長期金利が低下したと見ているようだ。調整ファクターが1倍であれば、政策金利が-0.1%でも、長期金利は0.04%とプラスにとどまるはずであった。

国債買入れオペに対する負荷が増した分、調整ファクターが上振れたことが理由であると考えられる。言い換えれば、マイナス金利政策は国債買入れオペにかなりの負荷をかけてしまう分、長期金利はより押し下げたが、マーケットに日銀の追加金融緩和の限界を感じやすくしているといえる。

文・会田卓司(ソシエテジェネラル証券 東京支店 調査部 チーフエコノミスト)/ZUU online

【こちらの記事もおすすめ】
思わず共感する40代独身女性あるある
100均グッズで宅飲みをワンランクアップ
生活費月100万円超「ご近所セレブ」の実態
旅行のお土産、いくらが適切?
あぁ、癒やされる。飼いやすいペット5選