はじめに
皆さんはシャンプーに配合される防腐剤「パラベン」をご存知ですか?
シャンプーはその特性上、微生物による腐敗との闘いは避けられず、しばしばパラベンをはじめとした防腐剤が配合されます。
しかし防腐剤の中には人によって頭皮や髪のトラブルを起こしてしまうものもあり、最近ではパラベンフリーを謳う商品も増えてきました。
本記事では、防腐剤がどうして必要なのか、そしてパラベンとはどのような成分なのかを解説し、そのあと皆さんのシャンプー選びの参考となるよう、おすすめのパラベンフリーシャンプーもご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
パラベンとは?
パラベンとは、防腐剤の一種のことです。
パラベンとは「メチルパラベン」や「エチルパラベン」などといった化学物質たちの総称を指し、正式名を「パラヒドロキシ安息香酸エステル」といいます。
私たちが日常的に使用している化粧品やせっけん、日焼け止め等といったパーソナルケア商品から食品や薬品に至るまで、様々な製品に対して防腐剤として配合されている成分です。
どんな成分か?
パラベンは、「メチルパラベン」や「エチルパラベン」などといった化学物質たちの総称のことで、正式名を「パラヒドロキシ安息香酸エステル」といいます。
私たちが日常的に使用している化粧品やせっけん、日焼け止め等といったパーソナルケア商品から食品や薬品に至るまで、様々な製品に対して防腐剤として配合されている成分になります。
80年以上前から化粧品に使用されている成分のため効果や安全性に関する知見が豊富に蓄積されており、数多くの複数種類のパラベンや他の防腐剤と一緒に配合することで優れた防腐効果を発揮することや、基準値以下の含有量であれば一般に安全であることがわかっています。
また、実はパラベンはもともと自然界にも存在する成分で、ニンジンやトマト等をはじめとする身近な野菜や果物のほか植物油にも含まれていることがあり、抗菌作用や抗酸化作用を発揮するとして注目されています。
髪への影響や危険性は?
ネット上には、パラベンの安全性に関する様々な記事が出回っています。
### しかし、繰り返しになりますが基準値以下の含有量で正しい使い方を守れば基本的にトラブルを起こすということはほとんどありません。
上述のようにむしろパラベンは自然界に存在していたものであり、パラベンを利用する防腐技術は、自然界にならって人間の生活に上手く応用された技術の一つです。
ただ、パラベンの危険性を指摘する報告が全くないわけではありません。
実際には、パラベンを配合した化粧品等による接触皮膚炎やアレルギー反応の報告があります。
石鹸や歯磨き粉、化粧品などの日用品に含まれている殺菌剤や防腐剤への曝露が、皮膚、腸管の細菌叢に影響を与えることによって、アレルギー性疾患の増加に寄与しているのではないかと懸念がなされるようになってきている。
出典:福富友馬 「パラベン類等の抗菌性化学物質とアレルギー疾患の関係:研究の背景 」
子どもや赤ちゃんへの影響は(妊娠中の影響は)?
接触皮膚炎やアレルギー反応のみならず、近年はパラベンの胎児への影響も懸念されるようになってきています。
For butyl paraben (BuP) a positive association is observed to overweight within thefirst eight years of life with a stronger trend in girls. Consistently, maternal BuP exposure of mice induces a higher food intake and weight gain in female offspring.(ブチルパラベンが8歳までの小児の過体重の原因になることが認められ、特に女児においてはそれが顕著である。マウス実験において、母体のブチルパラベンへの曝露がメスの子孫の餌の過摂取および肥満を引き起こした。)
出典:Tobias Polte 他 「Maternal paraben exposure triggers childhood overweight development」
しかし注意いただきたいのは、これらの危険性の内容はまだ研究報告が少ないために影響が立証されていないので、はっきりとしたことは申し上げられないのが現状であるということです。
販売されている製品はどれも基準をクリアしたものばかりですから、過度にパラベンを怖がったり忌避する必要はありませんが、場合によってはパラベンを回避した方が良いこともあるかもしれません。
防腐剤はどうして必要なのか?
それではここで、パラベンをはじめとするシャンプーに配合される防腐剤について簡単に解説したいと思います。
腐敗のプロセス
防腐の主な目的は微生物の繁殖を防ぐことです。
シャンプーは基本的に水分を多く含むものである上、工場で生産されたのち浴室という非常に湿度の高い環境下で保存されることが多いため、シャンプーの種類に関係なく
1.原料からの混入
2.工場の製造過程での混入
3.入浴時の湯水が容器に入ることによるもの
4.容器の外側に付着した微生物が使用時や詰替え時の混入
といった原因で微生物が混入し繁殖してしまう恐れがあります。
1, 2を一次汚染、3, 4を二次汚染といいます。
こうした原因である程度の数の微生物が混入することはほとんど避けられず、これに対抗するための抗菌・防腐効果をシャンプーが持っていないと安全に使用することができません。
防腐剤が必要になる場合
上述のようにシャンプーへの微生物の混入は避けられません。
よって抗菌・防腐効果が必要になってきますが、シャンプーの種類によっては洗浄成分である界面活性剤(かいめんかっせいざい)自体が十分な抗菌効果を持っていたり、成分の組み合わせで十分な抗菌効果を発揮できる場合もあります。
この場合には防腐剤を配合する必要はありません。
しかし、そうでない場合は追加で防腐剤を配合する必要が生じ、パラベンをはじめとする防腐剤が配合されることになります。
ただ、防腐剤の中には皮膚への刺激が強いものや人によってはアレルギー反応を起こしてしまうものもあります。
そのため、最近ではパラベンフリーを謳うシャンプーも多くみられるようになってきました。
シャンプーの持つ本来の抗菌効果を最大限に引き出し防腐剤を使わずに販売されているシャンプーは、からだに優しく安全性も高い理想的なシャンプーと言えるでしょう。
パラベンフリーとは?
パラベンフリーとは、「パラベンを使用していない」という意味です。
「○○フリー」という言葉はパラベンに限らず、「防腐剤フリー」や「シリコンフリー」等のように色々な物質に対して使われますが、「その物質を使用していない」という意味になります。
近年は、健康志向の高まりから防腐剤をはじめとする添加物に対して厳しい視線が注がれるようになっており、「○○フリー」を全面に押し出す商品が増加しているように思われます。
おすすめのパラベンフリーシャンプー10選
さて、パラベンは基本的には安全であると申し上げましたが、やっぱり実際に使うシャンプーはパラベンフリーのものが安全・安心ですよね。
そこでこの章では、筆者がおすすめするパラベンフリーシャンプーを10点紹介します。
※このランキングはORGANIQUE MAGAZINE編集部員個人の主観に基づいて作成されています。
第10位 レイヴィー ゴートミルクシャンプー 750ml ¥1,408(税込)
アミノ酸系ノンシリコンシャンプーです。
天然ヤシ油由頭来の低刺激アミノ酸系洗浄成分が配合されているので、敏感肌の方でもお使いになれます。
天然保湿効果のあるヤギ乳などの9種の補修・保湿成分が配合されていることが特徴的です。
ダメージを受けやすい日本人の髪に向けに品質改良をされているので、髪のパサつきや痛みに悩んでいる方にオススメできます。
また、加水分解ケラチンが配合されているので、髪にハリやコシを与える効果も期待できます。
第9位 アンファー スカルプDボーテ ナチュラスター シャンプー 350ml ¥1,986(税込)
天然由来成分で90%以上ができているシャンプーです。
濃厚もっちり泡で敏感な頭皮を優しく洗うことができます。
また、髪ダメージをケアする成分も配合されているので、ダメージレスな髪に憧れる方にオススメできます。
洋梨とユリの香りを楽しむことができます。
第8位 La sana プレミオール シャンプー 130ml ¥1,430(税込)
シリコンが配合されたアミノ酸系のシャンプーです。
4種類の植物オイルと7つのハーブエキスの作用により、頭皮の油分のバランスを整えることができる一品です。
また、シャンプーに配合されている海泥(どろ)が毛穴汚れを吸着し、しっかりと洗い流すことができます。
髪のキューティクルを保護する効果があるスクレロカリアビレア種子油が配合されているため、指通りの良い髪質になります。
アロマティックフローラルの、花と果実の香りで癒されることができます。
第7位 Pure NATURAL(ピュアナチュラル) / ピュアナチュラル シャンプー サラサラタイプ 300ml ¥990(税込)
アミノ酸系のノンシリコンシャンプーです。
植物由来の洗浄成分で髪と頭皮を優しく洗うことができるため、敏感肌の方や乾燥肌の方にオススメです。
合成香料や合成着色料を配合していないことが特徴的です。
また、ホホバオイルやヒマワリオイルも配合されているので、髪の広がりに悩んでいる方にもピッタリです。
値段が1000円以下とお手頃なところもポイントです。
第6位 haru kurokami スカルプ 400ml ¥3,960(税込)
ヤシ由来の洗浄成分で優しく頭皮と髪を洗うことができるシャンプーです。
頭皮に必要な潤いや皮脂を落とし過ぎすぎないため、健康的な頭皮環境へと導くことができます。
頭皮のサイクルを整える効果があるキャピキシルや頭皮を健やかに保つ効果があるホップエキスが配合されているので、ハリ・コシのある美しい髪に近づくことができます。
また、コンディショナーをしなくても大丈夫なので、忙しい方にもピッタリです。
柑橘系の香りでリラックスすることができます。
第5位 第一三共ヘルスケア ミノン 薬用ヘアシャンプー しっとり 450ml ¥1,391(amazon価格)
アミノ酸系のノンシリコンシャンプーです。
洗浄力がマイルドなので、頭皮のバリア機能を守りながら洗い上げることができます。
また、洗いすぎによる頭皮の乾燥やフケの発生を防ぐことができます。
12種類のアミノ酸が配合されており、頭皮と髪をしっかり保湿できることが特徴的です。
また、しっかりと泡立つので、使用感がとても良いです。
フローラルの香りでリラックスすることができます。
第4位 カウブランド 無添加シャンプー さらさら 500ml ¥1,195(amazon価格)
牛乳石鹸で有名なカウブランドのシャンプーです。
天然由来アミノ酸系洗浄成分で地肌を優しく洗うことができるので、敏感肌の方でも安心して使うことができます。
そして、天然由来のコンディショニング成分が配合されているので、髪にうるおいを与え、サラサラな指通りに仕上げることができます。
また、コンディショナーやトリートメントなしで使うことができるので、時短にも繋がります。
第3位 ボタニスト ボタニカルシャンプー モイスト 490ml ¥1,540(税込)
植物と共に生きる「ボタニカルライフスタイル」を提案するボタニストブランドのシャンプー。
こだわりの植物由来の保湿成分の高配合はもちろんのこと、硫酸系の界面活性剤やシリコン、着色料は使用しておらず、安心してお使いいただけるシャンプーです。
スムース、モイスト、ダメージケアといったシリーズ全6種の中から選べる点もポイントです。
第2位 レヴール フレッシュール シリーズ 340ml ¥1,078(税込)
真空容器を採用し、パラベンフリーシャンプーの弱点である浴室での汚染(二次汚染)による微生物の繁殖を徹底的に阻止してくれるシャンプーです。
ハチミツ、各種ビタミン、アミノ酸といった優れた保湿成分も豊富に配合しており、3つのラインナップからご自身に合った処方をお選びいただける商品です。
第1位 オーガニクエ リペアシャンプー ¥4,378(税込)
きめ細かな泡立ちで汚れや余分な皮脂をしっかり洗浄してくれるとともに、4つの補修ケア成分が傷んだ髪に直接働いて、ツヤのある髪を実現します。
オーガニックにこだわるオーガニクエブランドでは、パラベンはもちろん防腐剤は一切使用しておらず、安心してお使い頂けます。
ここでご紹介したもの以外にもパラベンフリーシャンプーはたくさんありますので、一度皆さんが普段使用されているシャンプーの成分表示をご確認頂くことをおすすめします。
容器の裏の成分表示欄に「○○パラベン」という名前の成分が記載されていなければ、そのシャンプーはパラベンフリーシャンプーです。
まとめ
シャンプーに含まれるパラベンについての解説は以上になります。
パラベンに限らず、シャンプーは自分に合った製品・成分を見つけることがより良い髪の実現に大切ですよね。
ぜひ本記事を参考に、成分から商品を選ぶということにチャレンジしてみて下さい。
参考文献
・上野製薬株式会社(2020/9/30アクセス). 化学薬品 – パラベン
・福富友馬(国立病院機構相模原病院臨床研究センター 診断・治療薬開発研究室)(2018). パラベン類等の抗菌性化学物質とアレルギー疾患の関係:研究の背景 日本衛生学雑誌, 73, S152
・Leppert, B., Strunz, S., Seiwert, B. et al. Maternal paraben exposure triggers childhood overweight development. Nat Commun 11, 561 (2020).
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