佐賀県は『ゼクシィ』と提携、首都圏の女性に狙い

佐賀県は2015年から婚活情報サービスの「ゼクシィ縁結び」を運営するリクルートマーケティングパートナーズ(東京)と提携、「佐賀ご当地縁結びプロジェクト」を進めている。首都圏に住み、地方に興味を持つ若者に佐賀県をPRし、県民との結婚や移住を促すのが狙いだ。

第1弾は9月に東京都内で「ご当地結びフェス」を開いた。首都圏在住の男女を佐賀のグルメ屋台、利き酒体験などでもてなし、佐賀県と首都圏若者約300人がグループ交流の飲み会を楽しんだ。

第2弾は「ご当地結び旅」と銘打ち、11月に首都圏在住の女性30人を2泊3日、宿泊、飲食、飛行機代込み500円で招待。農業体験やバルーンフェスタの見物、嬉野温泉への宿泊などを通じ、佐賀県民の男性と交流した。

佐賀県広報広聴課東京オフィスは「イベントは佐賀県について知ってもらい、好きになってもらうきっかけを作るのが狙い。イベントで知り合い、交流を続けている人もいるようなので、移住や結婚につながることを期待する」と語った。

若い女性の不足が地方の人口減少を加速

地方で人口減少が進む理由の1つに若年の女性の減少がある。農村や漁村で後継者を確保しても、結婚相手が見つからず、独身のまま中高年を迎える例が珍しくない。地方に若い女性が少ないからだ。

男女雇用機会均等法で男女を指定して雇用することはできなくなったが、地方では男性の求職が女性より多くなりがち。表向きは男女平等を強調しながら、あからさまな差別が残っているためで、女性の求職の多くが非正規雇用だ。

女性が一般事務職で正規職員を目指すとなると、都会へ出なければ就職口がなかなか見つからない。その結果、地方の若い女性不足が少子化と人口減少を加速している。

過疎地を中心に、多くの自治体が2000年前後から婚活事業に乗り出した。日本青年館が全国2253自治体を対象とした調査では、ほぼ半数が2003年度から2年間に農業体験に都市部の女性を呼ぶなど出会い事業の支援をしていた。

ただ、1度や2度のお見合いパーティーでカップルが誕生するのは珍しい。行政の婚活がどの程度、結婚につながったかを示す明確な全国調査結果は見当たらないが、地方の人口減少が加速しているだけに、大きな成功例といえるのは数えるほどしかないといわれている。

そこで登場したのが、ビッグデータの活用や縁結び企業とのタイアップによる新しい形の婚活事業だ。新事業の裏側には、若い女性不足による人口減少に苦しむ自治体の苦しい胸の内がうかがえる。

文・高田泰(政治ジャーナリスト)/ZUU online

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