ミニマリストを広めたのは2人組ユニット

もともと美術・建築・音楽の分野には、必要最小限を突き詰める「ミニマリズム」という考え方が存在するが、「ミニマリスト」という言葉は、最小を意味する英単語「minimal」をもじった造語だ。インターネット上で検索数が増え始めたのは2009年頃のこと。同時期に米国で活動を広げていた「ザ・ミニマリスツ(The Minimalists)」という2人組が、ライフスタイルとしての「ミニマリスト」を提唱したことがキッカケと言われている。

2人は20代で大金を稼いだものの、物を買っても一向に心が満たされない暮らしをしていたという。彼らが提唱するミニマリズムは、「人生で本当に大切なものにフォーカスするために、過剰なものを取り除くツール」と表現される。「物」にとらわれると優先順位を見失い、人生の目的そのものを見失ってしまうという考えが背景にある。余分な時間や物を削除することで、本当に大切にしたいものに集中できるということがメインテーマなのだ。

ミニマリストの生き方を選ぶ著名人

世界の著名人でミニマリストにあげられるのが、アップル社の創業者である故スティーブ・ジョブス氏や、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏だ。彼らにはいつも同じ服を着ているという共通点があった。

グレーのTシャツでおなじみのザッカーバーグ氏は、同じ服を着る理由を次のように述べている。「すべてのエネルギーを商品・サービスに費やすため、生活のなかの小さな決断の数をできる限り少なくしている」

ジョブス氏に、ザッカーバーグ氏と同様の理由があったかは定かでない。だが、同じ服を着ることで自分自身をブランド化する意図があったといわれている。

日本人では、ハイパーメディア・クリエイターと呼ばれた高城剛氏や、映画監督の紀里谷和明氏の名前があがる。グローバルに活躍する両氏に共通するのは、音楽や映像、書籍などはデータとしてストックし、持ち歩くものを最小限にしていることだ。最新の技術を活用しているのも共通点と言える。

それぞれに目的や方法は違っていても、自分にとってもっとも効率が良い方法を探し続けた結果、たどり着いたライフスタイルということができる。

「貧しい人とは物を少ししか持っていない人ではなく、いくらあっても満足できない人」

世界一貧乏な大統領といわれたウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領のスピーチは有名である。「所有する」ということに一石を投じている。このことに気づき、実践を試みた究極の形がミニマリストなのかもしれない。

文・ZUU online編集部/ZUU online

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