弁護士に依頼すると費用はどのくらいかかる?

(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)

弁護士に依頼した方がいいケースがだんだん見えてきました。ここで、気になるのが弁護士費用。一体どのくらいを想定しておけばいいのでしょうか。

弁護士費用の内訳

弁護士に依頼するとき、費用がどのように算出されるのか、内訳を知っておきましょう。

弁護士費用は「弁護士報酬」と「実費」に分けられます。弁護士報酬には以下のようなものが含まれます。

着手金
結果の成否にかかわらず、弁護士に仕事を依頼するときに支払うお金です。たとえ100%望む結果にならなかったとしても、弁護士の仕事は発生します。これは、してもらった仕事に対して支払う報酬と理解すればいいでしょう。

報酬金
事件が解決したとき、成功の程度に応じて支払う成功報酬です。

手数料
契約書や遺言書の作成など、1回程度の手続きで仕事が完了するときに支払う料金です。

日当、タイムチャージなど
半日、1日などの時間拘束に対して支払うお金が日当、弁護士費用を時間単価と所要時間で計算するやり方がタイムチャージです。

実費は以下のようなものです。

収入印紙代、通信費、コピー代、保証金や供託金、交通費など。業務に遠隔地への出張が伴うときなどは、交通費が高額になることもあります。

離婚事件の弁護士報酬、目安はどのくらい?

では、具体的に費用はどのくらいかかるのでしょう。

少し古いですが、日本弁護士連合会が2008年に全国の弁護士に実施したアンケート結果をまとめた『市民のための弁護士報酬の目安』(日本弁護士連合会、2009年)という報告書から、報酬の目安を見てみましょう。

【依頼内容の想定】
夫の暴力などに耐えられないので離婚したい。3歳の子供が1人いるが、自分が引き取りたい。慰謝料として200万円を請求。

【結果】
離婚が成立し、慰謝料200万円の支払いを受けた。子供の親権も認められ、養育費として月3万円の支払いを受けることになった。

これに対し、弁護士の見積もった報酬の想定額は、以下のような回答結果となりました。(回答総計1026人)

離婚調停から担当した場合

着手金
20万円前後:45.1%
30万円前後:41.5%
40万円前後:6.6%
50万円前後以上、その他:6.7%

報酬金
20万円前後:30.3%
30万円前後:39.6%
40万円前後:14.2%
50万円前後以上、その他:15.8%

調停がうまくいかず、引き続き離婚訴訟を引き受けた場合の追加料金

着手金
0円:26.3%
10万円前後:42.5%
20万円前後:17.0%
30万円前後:11.5%
40万円前後、その他:2.7%

報酬金
20万円前後:19.6%
30万円前後:36.2%
40万円前後:17.8%
50万円前後:16.9%
60万円前後以上、その他:9.5%

離婚訴訟の段階から担当した場合

着手金
20万円前後:26.4%
30万円前後:52.7%
40万円前後:11.7%
50万円前後以上、その他:9.2%

報酬金
20万円前後:20.1%
30万円前後:37.1%
40万円前後:16.5%
50万円前後:17.1%
60万円前後以上、その他:9.3%

こうしてみると、離婚調停にかかる弁護士報酬は40万円~60万円、訴訟まで含めると70万円~140万円程度と目算することができます。10年前の報酬目安ですから、そこを加味する必要がありますが、現在もそれほど大きく離れていないのではないでしょうか。