会議でも失敗しなくなった

――それは、周囲の人から冷たい目で見られそうですね……。

銀河:はい、めちゃくちゃ嫌われましたね。当時を思い出しても、「たいして経験値もない新人社員のくせに、なんでそんな発言をしていたのだろうか……」と冷や汗が出ます。現在の私は、「会議に向けて、すでに多くの人が労力を割いている。どんなに自分が無駄だと思っていることでも、そもそも決まっている事柄に対して、異論を呈してはならないのだ」と気がつきました。

そこから「進行中のものについては、絶対に自分は口出ししないようにしよう」と、決意しました。以来、大人数の会議で、大きなトラブルを起こしたことはありません。

発達障害で「宇宙人」と上司にいじめられた私が、障害を強みに変えるまで
(画像=『女子SPA!』より)

ユニークなアイディアは、ワンクッション置いてから

――じゃあ、会議ではずっと黙っているのが得策ということ……?

銀河:いえ、発達障害の人は普通の人より、脈絡なくいろんなアイディアを結び付けるのが得意な傾向にあります。そこで出てくるユニークな発想は、強みだと思うんです。だから、いい意見がある時は発言していいと思うんです。

ただ、大事なことは、自分の意見を言いたいときは、ワンクッション入れること。会議中に、どうしても、自分の意見を言いたいときは、パターンも決めています。そんなときは、「本当に申し訳ありません! そもそも論の余計な意見になってしまうのですけれども……」と謝り、自分が会議の会話に水を差していると自覚していることを伝えることで、周囲の反応はぐっと変わってきますから。

定型発達の人にとっては当たり前のことに感じるかもしれないのですが、私自身はこのことを意識するようになってから、ぐっと周囲の評価が変わりました。そのほかにも、発達障害の人はさまざまな個性を持っています。ぜひ、その個性をネガティブにとらえるのではなく、ポジティブにとらえて、ご自身の強みに変えてほしいと思っています。

<銀河 取材・文/女子SPA!編集部> 銀河 上智大学卒。ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)の当事者。ASD優位で空気を読むことが大の苦手。新卒で営業としてキャリアをスタートするも、約1年でうつ病を発症。復職し、発達障害の強みを活かして営業成績2位をおさめる。入社満3年で退社し、会社の同期が設立したCare Earth(株)に誘われて入社。現在ではキャリアアドバイザーとして、転職サポートを行っている。また、キャリアや生活で悩む発達障害の人へのアドバイスなどを中心に、コーチングも行っている。初の著書は『「こだわりさん」が強みを活かして働けるようになる本』 Twitter:@galaxy_career

提供・女子SPA!



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