缶コーヒーのCMでもおなじみの「エメラルドマウンテン」。「ああ、なんか高級なコーヒーだ」とイメージする人が多いでしょう。世界の生産量の90%をコロンビアが占めるとさえ言われるエメラルドの影響でその名がつけられた、言わずと知れたコーヒーの有名銘柄の一つです。

コロンビアは、言わずと知れたコーヒー生産国ですが、コロンビアのコーヒーがどんな味なのか説明できる人は少ないようです。

苦味ばかりが注目されがちなコロンビアのコーヒーについて、詳しくご紹介します。

コロンビアとコーヒーの生産

コロンビアコーヒーの味と特徴【エメマンの聖地…濃厚な苦味と甘み】
(画像=Cafendより引用)

コロンビアは、他の著名なコーヒー生産国と同じく、古くからコーヒーの生産が行われていました。1800年代にはキリスト教の修道院によってコーヒーノキが持ち込まれて栽培されていたそうです。現代では南米のコーヒー生産国は高品質なことで知られていますが、当時すでにコーヒーの生産体制が整っていたブラジルと差別化を図り、高品質なコーヒーの生産を目指す方向で栽培が進められていた為だそうです。

コロンビアでは小規模な農家が集まってコーヒー豆の精製を行っていることが多く、それほど国からの保障が強くないことが伺えます。しかし、生産者主体で運営されているFNC(コロンビアコーヒー生産者共同組合)という組織が存在し、これによってスクリーニング・グレーディングが行われており、品質の評価がされるなど、独特の評価体制が存在しています。そのためもあり、世界でも有数のコーヒー生産国として君臨し続けています。

このFNCによって、最高品質と評価されたほんの数%の豆のみが「エメラルドマウンテン」の名を冠することが許されるそうです。日本では耳にすることが多い「エメマン」ですが、実は非常に貴重な豆なのです。

コロンビアのコーヒーの味と特徴 〜豊かな甘みと南国の果実感〜

コロンビアコーヒーの味と特徴【エメマンの聖地…濃厚な苦味と甘み】
(画像=Cafendより引用)

コロンビアのコーヒーは、甘みと苦味が注目されることが多いです。強めで癖の少ない苦味はブレンドベースにも扱われることが多く、深入りのコーヒーが好きな人には一際人気の高い豆と言えるでしょう。また苦味に付随する甘みも感じやすく、少し低い温度でじっくり抽出するネルドリップなどではまったりと重厚なボディを楽しむこともできます。

ボディが重めで苦味もあるため酸味は感じにくい傾向がありますが、適切な焙煎度合と抽出法によっては浅煎りされた豆では、柑橘類とトロピカルフルーツなどの南国っぽいフレーバーを持っており、濃厚な甘さを楽しめます。

おすすめの飲み方はペーパードリップで、甘さや酸味を強調するように味を引き出してあげると個性を感じやすいでしょう。

コロンビアのコーヒーの品質について 〜エメラルドマウンテンとは一体なんなのか〜

コロンビアコーヒーの味と特徴【エメマンの聖地…濃厚な苦味と甘み】
(画像=Cafendより引用)

コロンビアはカリブ海と太平洋、二つの海に面しています。南北に走るアンデス山脈によって寒暖差が大きいこと、降雨量が多いことによりコーヒーの栽培には非常に適した地理環境を持っていると言えるでしょう。

コロンビアコーヒーのグレーディングは、コーヒー豆のサイズによって行われます。一番大きな(高品質だと評価される)クラスは「スプレモ」と呼ばれ、エメラルドマウンテンと並んでコロンビアコーヒーの有名な「銘柄」となっています。

エメラルドマウンテンは前述のFNCによって判断されたほんの一握りの豆ですが、グレーディング方法はサイズスクリーニングだけでなく、カッピングによる審査が行なわれます。よくエメラルドマウンテンという品種だと勘違いされることがありますが、あくまでもコロンビアで生産される豆の最高グレードであることを示しているようです。協会が豆の最高品質を判断してブランド名をつける国というのはそれほど多くありませんので、これほどに名前が浸透したのかもしれません。