良い質問は「5W1H」に頼らない

質問には会話を盛り上げる効果があることは知られている。良い質問をするコツとしては「5W1H(who・when・where・what・why・how)」が代表的だ。いつ・誰と・何を・どのようにしてといった情報を集めることによって、話の全体像をつかむのに有効である。

しかし、あまり5W1Hに頼りすぎた質問を繰り返してしまうと、尋問のようなやり取りになってしまうので注意が必要だ。

たとえば相手が最近ゴルフに行った話題をふったとして、「いつですか」「誰と行ったのですか」「どこでやったのですか」といった質問を投げかけるだけでは、その先の話がふくらまない。そもそも5W1Hは記者が効率的に情報収集をするための質問法として確立されたもので、話を弾ませるための技法ではない。

ここは相手がなぜその話をするのか、「話す動機」に着目したい。なぜゴルフの話をはじめたのか。スコアにふれてほしそうならゴルフの腕前の話、有名ゴルフ場ならステータスの話、メンバーが良ければ人脈の話から広げていきたい。ゴルフに詳しくないならルールやマナーについて聞いてみても良いだろう。大切なのは「良い質問をすること」ではなく「相手が聞いてほしいことを聞くこと」だ。

盛り上がりを「延焼」させる

一定以上の人数で飲み会をしていると、あるところでは大いに盛り上がり、あるところではいまいち盛り上がっていない「温度差」を感じたことがあるだろう。自分の会話で精一杯な人はそこまで気が回らないが、もうワンランク上の飲み会力を身につけたいなら「温度管理」ができる人を目指したい。

たとえばAさんの周りで旧システムの使い勝手が悪くて困るといった話題で盛り上がっているとする。そこで折を見て別グループのBさんに「Bさんはこの分野に詳しそうですが、何か解決策はありませんか?」と水を向けてみるのだ。これでAさん付近の盛り上がりを別の場所に「延焼」させることができる。場合によってはBさんの評価アップにもつながる。温度を感知して熱を移動させられるようになるにはある程度の経験が必要だが、慣れると場の空気感をバランスよく保てるようになる。

あえて一石を投じる

優秀なビジネスパーソンの周りには優秀なビジネスパーソンが多いので、聞き上手なだけのイエスマンはあまり好まれない。少し生意気な、それでいて一理ある人物のほうが評価は高くなるのだ。

同じ業界や職場にいると価値観が共通しているので、話も同じ方向にまとまってしまいがちだ。たとえば外資系企業の社員はクライアントの日本企業の文化に眉をひそめることが多い。そうだそうだと盛り上がっているところに、「でもあの慣習にもこういうメリットがありますよね」と、反対側からの視点を投げかけると、一目置かれる存在になれる。あくまでも自分も同感だが別の見方もあるという姿勢を大事にしたい。

飲み会をスキルアップや人脈作りのための時間に

以上、5つの飲み会におけるコミュニケーション術を紹介した。いずれもある程度のスキルと経験を要する手法だが、身につけておいて損はない。飲み会は人によっては負担に感じることもあるだろうが、どうせならただ参加するだけではなく、スキルアップや人脈作りに活かせる時間にしたい。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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