(本記事は、小笠原 洋子氏の著書『ケチじょうずは捨てじょうず』=ビジネス社、2020年12月刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

若いころは雑に、衣類をそのままごみとして、クールにぽいぽい捨てていました。所有物がたくさんあると、ものの価値観も希薄になるようです。やがて齢を追うごとに新調しなくなり、持ち服の数がだんだん少なくなっていくと、すぐにポイ捨てせず、よく観察するようになりました。でも、「もう一回着られるかな?」は、一度捨てると決めたものには問わないことにしています。これをやると、迷った末に必ず捨てるの中止、または延期となりますから。

そうではなく、「リフォームできないかな?」とよく観察して考えるのです。

〝捨てる〞と〝リフォームする〞は、似て非なるものです。捨てるは、切り捨てゴメンですが、リフォームは活かすことですから。

例えばお気に入りだったお出かけ用長袖ブラウスの場合。古くなったので普段着に下ろしたものの、ボタン止め式の袖口が、炊事の邪魔になる。生地にもよりますが、ヘナヘナした柔らかい布ですと、折って巻き上げてもすぐに落ちてきて、袖口をびしょびしょにしてしまうのです。そのたびに、いらいらさせられます。冬なんぞ、そこから体じゅう寒気がしてきたりして……。

ケチじょうずは捨てじょうず
(画像=イラスト/原田美香)

そこで、せっかく普段着にしたのだから、不細工でも手を加え、カフス部分を断裁。そこにゴムを入れてハイ完成。流しに立つ時、さっと一回腕まくりをすれば、袖はもう落ちてきません。

ワンピースは上下二分割で着回しが利く服に

ワンピースの上下二分割は、何着も実行ずみです。とくにうまくいったのは、母から譲り受けた紺地にベージュで細かい草花模様が描かれた服でした。草花は身ごろ全体にところどころ散っていますが、裾には密集して描かれています。夏向きで、生地は半袖が透き通るくらい薄く、スカートだけが微細なプリーツ加工でした。

そんなエレガント感のある素材だったので、いかにも改まって見え、着ていくところがかぎられました。それでもこのワンピースは手洗いできるというメリットがあったため、もっとたびたび着られるように上下を切断したのです。

袖口が大きく開いたデザインで、首元が一つのボタンで開閉でき、頭からかぶって着用するタイプだったのを、前開き式にカットし、上半身はボレロ形式に、下は裾模様のあるプリーツスカートに変えられました。インナーを合わせてスーツ式に着てもいいし、別々に着ることもできたため、長らく愛用しました。

ワンピースのリフォームは、そのデザインによって、このワンピースのように上下とも使える服になるか、あるいは上か下どちらかだけ活かすことになります。トップを活かすなら、長い丈のオーバーブラウス風。ボトムを活かすならスカートにするなど。こうして生まれ変わった元ワンピースを、新しい服のように何年か楽しめれば、いよいよ着飽きたとき、もう悩まずに捨てることができます。

タンスの肥やしはリフォームして活かす

着る機会の少なくなったワンピースは、上下に二分割。元のデザインにもよりますが、上はボレロに、下はスカートに変身。

ケチじょうずは捨てじょうず
(画像=イラスト/原田美香)

『ケチじょうずは捨てじょうず』
小笠原 洋子


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