(本記事は、小笠原 洋子氏の著書『ケチじょうずは捨てじょうず』=ビジネス社、2020年12月刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
さて、みなさんは買い物に行くとき、メモを持っていきますよね。しかしスーパーに着いたとたん、メモの文字がちょっとかすむ……のをご存じですか? あの高々と両脇に並ぶ陳列棚の間、上下へ左右へとすばやく目を移しながら、棚から聞こえてくる「何だってあるんだぞうー!」の大合唱を避けようと、なるべく早く通り抜けようと急いでも、必ずハタと足止めされ、「そうだ!」とメモにないものを見つけてしまう。「マヨネーズがもう残り少なくなっていたんだ……。どうしょう」。すると陳列棚からは、「ケチャプだって、なかったろー? 買っちゃえ買っちゃえ!」のエール。
問題は、このとき個人商店なら、「これください!」と声をかけるその数秒が、スーパーでは欲しいものを棚から手づかみしてカゴに入れるという、一瞬の行為にすり変わってしまうこと。その瞬間、スーパーは、ものすごく簡単に欲望を叶えてくれるレジャーランドと化してしまうのです。ここでうっかり楽しんでいると、とんでもない量をカゴに入れ、ルンルンとレジに行き、そこで初めてしまった! ということになりかねません。
レジに並ぶときカゴの中身を計算してみる
レジに並ぶとき、カゴの中身を覗き込んでいる人、少ないですよ。もうこれは私のものという顔で、みなさん正面を見ている。でもここで、カゴの中身をざっと計算しましょう。毎日買い物する主婦ならば、量感だけでいくらくらいかわかるはず。そしてきっと買いすぎたことにも気がつくはず。
それでもいまさら列を抜けて棚に戻るのは、せっかくここまで並んだのだから嫌ですよね。それに勇気もいります。わかります。カゴの中身を一品でも元に戻すことは至難の業です。だって欲しいんですもの。それにご近所さんが、そばにいるかもかもしれない。見られたら体裁悪いと思う人だっているでしょう。
しかし、この際、欲望と体裁は乗り越えましょう。そういう心意気を一つの喜びとしてしまうのです。だってお金が浮くんですから。コツは簡単。何と何が本当に必要なのか、選別に集中すればいいだけです。これこそ、「捨てる」極意の一つです。だから、メモに書いたもの以外は買わぬが勝ち。最初から強い意志でご入店ください。
繰り返しますが、捨てるワザとは、その前提として「買わない」ことなのです。室内や胃袋内をあふれさせないためには、買いたい気持ちを捨てることしかないのです。
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