2. 業績に対して、株価が買われすぎていないこと(PERが低いなど)
業績は先ほど伝えた純利益を基準として考える。
株価に対して何の知識を持たない方のために説明しておくと、例えばA社が1000円でB社が2000円だった場合、A社の方が価格的には安い。しかし、もしA社の1株利益が250円でB社の1株利益が200円だったならどうだろうか。
これを比較するために、PER(単位は倍)という指標がある。PERは株価を1株利益で割ったものであり、一般的には低いほど割安だと判断されている。先ほどの例でいえばA社は4倍、B社は10倍ということになる。
株価と業績の関係性からみると、B社の方が安かったということになる。このように株価の高低を判断するうえでは、必ず業績をセットにして判定しなくてはならない。
前置きが長くなったが、優待銘柄を狙う時にもこのPERは低いほど良い。ただし優待銘柄の代表格である飲食業系の企業はPERが高い企業が多い(70倍程度のPERである企業もある)。
さて、選び方だがPERは低いほど良い。ただし、業績の悪い企業は除きたいので、先ほどの1株利益が安定して伸びていることを前提として、PERが10倍以下の銘柄を狙いたい。なお、現在10倍以下でなくとも、2016年のイギリスのEU離脱や2月の暴落時のような株価が株価の下げのタイミングでは優良な銘柄が一気に株価を下げることがある。優良銘柄をお買い得な金額で買うチャンスといえる。
3. その銘柄にテーマ性がないこと
テーマ性とは、例えばロボット関連銘柄、インバウンド関連銘柄、再生医療関連銘柄のようにあるテーマの中にある株式のもつ性質のことをいう。たいていの場合テーマがあると、何らかのニュースが出た直後から株式が大きく動くことが多い。これは、短期的な売買を行い利益を狙おうとする短期筋の資金が流れ込んでいることによって起こる。
ちなみに、この短期資金が一度流れ込んでしまうと、株価は業績等無視して上がり続けることも多く、高値付近ではババ抜きのような状態になる。また短期資金は信用取引が使われていることも多く、株価が下がり始めるとわれ先にと株式が売られ始める。急落の様相を呈し、高値の位置に株価が戻ってくるには長い時間がかかってしまうこともあるのだ。
特にテーマ性の強い銘柄で、企業の業績が赤字の企業の株式は要注意である。優待銘柄を狙うのであればできるだけこのテーマ性は排除したいところである。以上3つのポイントをご説明したが、優待銘柄を選ぶ際の指針としていただければ幸いだ。
文・谷山歩(個人投資家)/ZUU online
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