株主優待投資が今異常な盛り上がりを見せている。最近では、テレビでも雑誌でも株主優待をもらって生活している投資家の話が話題になることが多い。かくいう筆者自身、さまざまな投資を実践しつつ、同時に株主優待フリークでもある。
株主優待とは、企業が投資をしてくれている投資家に対して、お礼の意味合いを込めて贈る物品、サービスなどのことを指す。この株主優待を実施している企業への投資することを株主優待投資という。
株主優待投資は本来は地味な存在で、値上がり益や配当金という本筋の陰に隠れてしまうことも多い。しかし、株主優待投資を行う人が多くなれば、その分株価も動くことが多くなるので、本筋に負けないしっかりとした投資の方法となる。また、優待投資には、外国人投資家や機関投資家が資金規模的に入れない小型の株式も数多く存在するので、個人投資家にとっては投資しやすいという利点もある。
ただ、気軽に行える優待投資もやり方を間違えれば損を出してしまうこともある。そこで優待投資でできるだけ損しないためポイントを3つにまとめてみたので参考にしてほしい。
株主優待も株式投資であることに変わりなし
優待をもらうにはまず優待を実施している企業を選ぶ必要がある。ただ、優待を実施している企業であれば何でもよいというわけではない。優待が欲しいからといって適当に選ぶと当然損をする。
優待投資も企業業績の良し悪しの影響があり、業績が今より急激に悪くなると優待自体を廃止してしまうこともある。優待目的に買われていた場合、優待が廃止されると株価が急落することは容易に想像ができる。
そのため、優待投資をする際にも、銘柄を選ぶための指針が必要となる。次の3点に注意してほしい。
- 一株利益が毎年安定推移で伸びていること
- 業績に対して、株価が買われすぎていないこと(PERが低いなど)
- その銘柄にテーマ性がないこと
1. 一株利益が毎年安定推移で伸びていること
一株利益は、純利益(企業が出す最終的な利益)をすでに市場に発行されている株式の数で割った利益のこと。純利益が100億円で市場に出回ってる株式数が1億株なら1株利益は100円ということになる。毎年この利益が85円、90円、100円と安定的に伸びている企業は、事業が順調であれば今後も業績を安定的に伸ばすことが予想される。銘柄選びのために1つ目の指針としておさえていただきたい。
安定かどうかを測るための基準が必要と思われるが、事業内容をみて安定的かどうかを主観的に判断するよりも過去の実績の流れをみて決めた方が客観性がある。そのため毎年の利益推移の確認をすることが大事だ。