子育て中の家事と育児は、夫婦で一緒にやることが大切。しかし、そう上手くいかずにストレスを感じてしまう女性も多いでしょう。ストレスが溜まると、家事や育児へのやる気を失くしたり、夫や子どもに当たってしまったりと、自分にとっても家族に対しても良いことはありません。

ストレス疲れでダウンする前に、対策を練りましょう。

子育て中の家事と育児ストレス

子育て中に家事や育児は、どうしても量が増えてしまいます。また、子どもが幼い頃は特に、衛生面や食事の栄養バランスなどにデリケートになり、量的にも質的にも負担増は避けられません。そんな家事、育児の負担は、夫婦や家族で分担して乗り越えていくことが望ましいものですが、そう上手くは行かないという家庭の方が多いようです。

男性が家事、育児へ参加する割合

家庭における家事分担の割合は、いずれの国も男性が少なく、女性が多い傾向はありますが、特に日本では男性の家事分担率が低く、世界でもワーストワンといわれています。国際社会調査プログラム(ISSP)による2012年「家族と性役割に関する意識調査」では、日本の男性の家事分担率は唯一2割に満たないという結果になりました。

日本の男性の家事分担率18.3%は、世界で最も低い。1つ上のチリとの差も大きく、2割に達していないのは日本だけだ。日本で日常的に行われている夫婦の家事・育児の分担は、国際的に見ると特異であることがわかる。 一方、上位の北欧諸国では、男性の分担率が4割を超えている。女性の社会進出が進んでいる国々だが、それに呼応して男性の「家庭進出」も進んでいる

引用元 : 日本は世界一「夫が家事をしない」国|Newsweek日本版

また、総務省の「社会生活基本調査」の主な生活行動の平均時間の資料から共働き家庭の夫の家事・育児分担率を計算したデータでは、0歳の乳児がいる共働き家庭で14.9%、1~2歳の子がいる家庭で夫の分担率は26.1%となっています。ただし、共働き家庭とひと括りで言っていますが、そこには夫婦とも正規雇用、夫のみ正規雇用などの違いもあり、その違いで分担の割合が変わることもあります。

内閣府による夫婦の家事・育児の分担割合の調査では、全体的に年齢が高い夫婦で男性の分担率が低くなり、共働きで夫婦とも正規雇用の夫婦では分担率が高くなります。

また、男性と女性の回答にはズレがある点も、注目すべきです。男性は家事をやっているつもりであるのに対して、女性としては「分担していない」と感じているということでしょうか。男女の意識のズレも不満の一因となりそうです。

性・共働き状況別にみると、夫婦とも正規従業員の層では、「夫1割、妻9割」「夫2割、妻8割」「夫3割、妻7割」と、夫がいくらかは分担しているという回答者が男女とも多く、男女差は小さい。 一方、それ以外の層では、夫はまったく家事・育児の分担をしないという「夫0割、妻10割」という回答者が女性で1割を上回っているのに対して、男性ではいずれも1割に満たないなど、男女の意識差がやや大きくなっている。

引用元: 夫婦の家事・育児の分担割合|平成21年度 インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査[HTML版] 内閣府

理想の家事分担の割合

共働き家庭での家事育児の分担は、妻である女性の割合が高くなっています。その偏りを少しでも改善することで、女性の負担を減らしてストレスを溜めにくくすることができるでしょう。理想となる分担の割合は、やはり夫婦平等に半分ずつという考えが多くなります。半分ずつではなくても、男性が4割程度担うことでも満足できると考える人は多いようです。

ただし、夫婦の家事分担の不満は実際の分担率の偏りだけでなく、前述のようなその認識の差にも原因があるかも知れません。男性の「やっているつもり」が女性にストレスを与えていることもあります。

夫と妻で、実際に何%ずつ家事を担っているか・担うべきか、実際と理想を尋ねました。結果、理想は「夫50%妻50%」で夫婦平等に分担と考える人が最多の37%、次いで「夫40%妻60%」が22%でした。

引用元 : 共働き夫婦の家事分担、夫の分担率は平均30%。夫が家事参加する家庭は昨年から12%上昇(マクロミル調べ) | PR TIMES

頼れる「イクメン旦那」へ育てる方法

妻が家事や子育ての負担や精神的なストレスにあえぐ主な理由としては、夫の分担が少ないことが挙げられます。解決するには夫に家事や子育てをしてもらえばいい!とはいえ、実際に夫の家事育児の分担を増やすためには準備と計画が必要です。頼れるイクメン旦那になって欲しいと思っている場合には、少しずつ夫の意識を変え、テクニックを教示していきましょう。

分担の割合を可視化

男性の中には「自分は結構家事をやっている」と思っている人がいます。しかし、それは女性が望んでいる負担割合には程遠く、実際にはそれほどやっていないことも多いものです。その勘違いを是正するために、まずは現在行っている家事の分担をチャートで可視化させましょう。

日常的に必要な家事、突発的、不定期に必要な家事に分け、妻と夫がやっている家事を書き出していきます。「育児」は「オムツ替え」、「授乳」など、「炊事」は「朝食」、「夕食」、「調理」、「洗い物」などそれぞれ細かく分けます。

分担の割合だけでなくやり方も教えて

夫に自分の分担の少なさや妻の負担の多さを目で見てもらったら、その後は分担を増やしていきます。陣取りゲーム形式で楽しみながら、分担を増やしてもらいましょう。また、これまでやったことのない家事を任せることになるため、初めは新人に仕事を教えるように根気良く、そして大体できたら気になることがあっても誉めてあげます。夫も子どもも誉めて育てることが大切です。