大泉洋さんを主人公に当て書きした小説を、大泉さん主演で映画化した『騙し絵の牙』が公開中です。舞台は大手出版社。創業一族の社長が急死し、次期社長の座を巡って権力争いが勃発して、みなが生き残りをかけるなか、廃刊寸前のお荷物雑誌の編集長・速水(大泉)が仁義なき騙し合いバトルを動かしていきます。
前代未聞の当て書き小説の映画化は、まさに大泉さんのスターたるゆえん! そんな大泉さんに、本作についてはもちろん、昨年のNHK紅白歌合戦の白組司会を終えて、今年の年末はどう過ごしたいか、また、騙すよりも騙されるほうがお似合いの“愛されキャラ”でもある大泉さんに、小学生の頃の騙されエピソードも聞きました。
「今のは大泉さんぽかった」とNGが
――速水さん、かっこよかったです。
大泉洋さん(以下、大泉)「ありがとうございます。まあ、映画版の速水は、僕らしくはない役ですよね(笑)」
――吉田大八監督から「今のは大泉さんっぽかった」とNGが出ていたとか。
大泉「そうなんですよ。小説も、僕に当て書きして、あくまでストーリーを書いているわけで、僕を書いたわけじゃないからね。僕をイメージして速水という男を描いているだけで。そこを僕なんかは若干勘違いしていて、『俺でいいんだろう』なんて思ってしまったら、そうじゃないんだなと。それを吉田監督の演出のもと、よく分からせていただきました。
吉田監督の演出はすごく細かいので、最低でも3回はやりますから。細かく修正して修正してOKが出たときの達成感がすごく大きい現場でした」
ベテラン揃いの撮影現場「佐藤浩市、来た!」
――ベテランの方も多く参加しています。
大泉「佐藤浩市さん、國村隼さん、佐野史郎さんとね。佐野さんとはあまり絡みはなかったですけど、この辺の重鎮の方たちとのお芝居は、やっぱりやっていてしびれますよね。楽しいです。キャスティングが決まっていく時点で楽しかったです。
浩市さんとは、何度もお仕事させていただいていても、ご一緒するたびにしびれます。『佐藤浩市、来た!』みたいな。國村さんも本当になんて素敵な役者さんなんだと思っていたから、共演できるのはとても楽しみでしたね。ほんと百戦錬磨だよね。あと、佐野さんは、おととしの大晦日の某番組で大ケガしてからすぐの撮影だったんですよ。だから、実は大ケガしてるんだと思うと、『佐野さん、すげー!』ってなります(笑)」
――そういえば、そんなこともありました!
大泉「あのすぐあとですからね。さすがですよ」