どうすれば確実にもらえるか?

もし離婚時に「養育費」の話をまとめたいのであれば、弁護士等の第三者に入ってもらい、話を進める方法をお勧めする。ただ、費用がかかると心配されるのであれば、家庭裁判所の調停という方法もある。しかし家裁の調停は、1回で話がまとまることはなく、3、4回程度の調停が必要である。一般的に約1カ月に1回の調停だから、3、4カ月かかることになり、「とにかく早く離婚したい」と思う人には、もどかしい方法かもしれない。

そこで、早く解決したいと考える人は、弁護士を間に立て、「『慰謝料』の件がまとまらない限り、『離婚届』に判を押さない」として、話を進めることになる。その際、弁護士には離婚の原因となった証拠を提出する必要がある。例えば、浮気が原因であれば興信所等の報告書、暴力が原因であれば病院の診断書などである。

慰謝料の額や支払い方法が決まったら、離婚協議書を作成することになるが、できれば公正証書にしておくことをお勧めする。もちろんお互いの信頼関係で決めたことだから、「公正証書にする必要はないという人がいるかもしれない。しかし、公正証書にしておけば、支払ってくれない時、差し押さえの手続きが簡単である。

離婚届の提出前に、慰謝料の全額を支払ってくれるのであれば問題ないが、離婚届提出の前後で慰謝料を分割して支払う場合には、是非公正証書にしておくべきである。

慰謝料の交渉は、弁護士の独占業務であるが、一旦話がまとまった離婚協議書を公正証書にする業務は、行政書士でもできるようになっている。

冒頭述べたように、1年前に離婚した女性から「今から『養育費』を請求したい」という相談を受け、内容証明を作成し、相手方に送ったことがある。その後、家裁の調停で話がまとまり、無事に相談者は養育費を受け取れるようになった。

このように養育費であれば、離婚後の請求も比較的楽であるが、慰謝料の場合、請求された相手方とすれば、「今さら何を言ってるんだ」となり、ハードルは高いと思う。従って、慰謝料に関しては、できれば離婚の際に決着をつけておくべきである。

文・井上通夫(行政書士・行政書士井上法務事務所代表)/ZUU online

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