修繕積立金を経費にしていなかった?

「マンションの修繕積立金の必要経費算入時期について教えて下さい」という質問をよく受ける。

修繕積立金は、原則として実際に修繕等が行われその修繕等が完了した日の属する年分の必要経費に算入できるが、一定の要件を満たす場合には、支払期日の属する年分の必要経費に算入することができるのである。

修繕積立金は区分所有者となった時点で、管理組合へ義務的に納付しなければならない。そこで、修繕積立金の支払がマンション標準管理規約に沿った適正な管理規約に従っていれば必要経費に計上できるということである。

この規約の要件は次のとおりだ。区分所有者は、管理組合に対して修繕積立金の支払義務を負う。管理組合は、支払を受けた修繕積立金について、区分所有者への返還義務がない。修繕積立金は、将来の修繕等のために使用され、他へ流用されない。修繕積立金の額は、長期修繕計画に基づき各区分所有者の共有持分に応じて合理的な方法により算出されている――。

最大の不動産投資のメリットといわれる減価償却費について見ていこう。

減価償却費とは、建物および建物附属設備の取得価額に対して、耐用年数によって均等に費用化していくことである。建物の年数の経過による価値の減少を経費計上するものである。この耐用年数は、構造、用途によって年数が異なる。

住宅用のもので例をあげると、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のものは47年、木骨モルタル造のもの20年、木造・合成樹脂造のものは22年となっている。また、こちらは新築物件、中古物件によっても耐用年数が異なるので注意が必要である。

中古物件ですでに耐用年数が経過しているものに関しては、4年しか減価償却ができない。つまり、5年目からはこの最大のメリットであるキャッシュアウトしない費用計上ができないということになり節税という点だけでみると、全く効果のないものであることは頭にいれておくべきだ。

一つ一つを注意してきちんと経費計上を行うことで、結果的に節税につながるだろう。節税を実現するには、不動産投資の仕組みについてきちんと知る必要があるのだ。

文・眞喜屋朱里(税理士、眞喜屋朱里税理士事務所代表)/ZUU online

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