<女性が一生、お金に困らないためのレッスン vol.1>
ずっと独身かも。結婚しても離婚したり、夫が先に亡くなるかも。――女性にとって、ひとりになるのは、想定内のできごとです。あなたはその時、お金に困らずに生きていけますか? 貯金や老後のお金問題について著書多数の経済評論家・佐藤治彦さんが、シリーズでお届けします。
タイトルの「妻が最大1460万円損するリスクがある理由」は、記事の一番最後に明かされます、悪しからず。(以下、佐藤さんの寄稿)
夫が60歳までに亡くなる確率は7%
夫に社長や重役になってほしいとは思わなくても、40歳前後になると、夫の残りの社会人人生の行く末も見えてきます。夫が会社の愚痴を言うようになってませんか? 酒量が多くなってきてませんか? 危険なのは会社や役所に勤め始めて20年前後、年齢としては40歳前後。40代という大台を前に、転職するなら最後のチャンスと思ってしまうものだからです。独立するなら若いうちでないと、と思うのでしょう。
夫が独立や転職で仕事がうまくいくことも、そういかない場合もあります。また、病気や怪我で亡くなることだってあります。 ちなみに男性が60歳までに死ぬ確率は約7%です。女性は4%くらい。多くはないけれど、まったくないこともない(厚生労働省、令和元年簡易生命表より)。
夫の死後2000万円もらえる保険、掛け金はどのぐらい?
そのため、万が一の時のことを考えて死亡保険に入る人も少なくないですよね。
特に今は掛け捨て、ネットで申し込める死亡保険であれば、毎月の保険料もたいして高くないといわれます。 例えば45歳の男性が2000万円の補償が出る、20年間の定期保険に加入するとなると、毎月8500円程度の保険料です。40歳なら5500円。
45歳の人なら65歳まで、40歳なら60歳までの間に夫が亡くなることがあれば2000万円のお金が支払われる生命保険に入ると、40歳からなら132万円、45歳からなら204万円の保険料(掛け金、掛け捨て)を支払うことになります。万が一のことがなければ、掛け捨てなので、お金は戻ってきません。安いといっても、100万円とか200万円のお金は少ないお金じゃないですよね?
でもいざという時に、お金がないのも困りますね?
①遺族基礎年金:18歳未満の子がいるともらえる。妻+子1人で約100万円
皆さんは遺族年金という制度があるのをご存知ですか? これは、厚生年金や国民年金に加入している人に、万が一のことがあった場合、支払われる公的な年金のことです。
わりと知られているのは遺族基礎年金です。これは、18歳未満の子どもを残して父親に万が一のことがあった場合、妻や子どもに出る年金のこと。妻と子ども1人の場合、年100万6600円のお金が国から支払われます(2020年度。金額は毎年少しづつ変わります)。 もし、8歳の子どもを残して万が一のことがあれば、その後10年間でおおよそ1000万円のお金が妻と子どもに支払われることになるのです。
しかし、制度はこれだけではないのです。