親が美人 ⇒ 子供も美人 親が酒豪 ⇒ 子供も酒豪 ということは、それなりの確率で発生します。 顔の良さや酒の強さは、遺伝と関連性があるからです。

では、味覚の良さは、遺伝と関係があるのでしょうか?

今日は、味覚と苦味遺伝子に関するお話です!

味覚の良さは、遺伝に関連性があるのでしょうか? 実は、「味覚」と「苦味遺伝子」について、面白い結果が報告されています。

今日は、苦味遺伝子について詳しくご説明させていただきます!

・苦味物質とは?

みなさん、苦味物質って何なのか知っていますか?

苦味物質は、その名の通りに苦みを呈する物質なのですが、1つではありません。多種多様な苦味物質があります。

例えば ・コーヒーに含まれる「カフェイン」 ・ビールに含まれる「イソフムロン」 ・ゴーヤに含まれる「ククルビタシン」 ・ピーマンに含まれる「クエルシトリン」

などなど・・・、数多くの苦味物質が報告されています。

・苦味物質の「PTC」とは?

みなさん、苦味物質の一つである「PTC」を知っていますか? PTCは、バイク川崎バイクのことではありません。それはBKBです。

PTCは、フェニルチオカルバミド(PhenylThioCarbamide)の略称であり、ブロッコリーやキャベツ、ナタネ等に含まれる苦味物質です。

味覚の良さは遺伝子が関係してる?~苦味遺伝子~
(画像=『味覚ステーション』より引用)

・味を感じる仕組み

まず味を感じる仕組みについておさらいしましょう。

味覚の良さは遺伝子が関係してる?~苦味遺伝子~
(画像=『味覚ステーション』より引用)

味覚は、舌などに存在する「味蕾(みらい)」と呼ばれる細胞の集合体によって感知されます。

舌には、有郭乳頭(ゆうかくにゅうとう)、葉状(ようじょう)乳頭、糸状(しじょう)乳頭、茸状(じじょう)乳頭と呼ばれる4種類の舌乳頭が存在します。これらのうち、有郭乳頭、葉状乳頭、茸状乳頭には味蕾が存在しますが、糸状乳頭には味蕾が存在しません。

この、味を感じる器官である「味蕾」の一つ一つには、それぞれ複数の「味細胞」が存在しています。

・苦味を感知する受容体

上述した「味細胞」で発現する「味覚受容体」によって、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味などの味が感知されます。

苦味は、苦味感受性II型受容体ファミリーによって受容されます。

苦味感受性II型受容体は、「TAS2R」もしくは「T2R」と呼ばれています。 TAS2R:Taste receptor type 2(2 型味覚受容体)

なお、現在、「ヒトの苦味受容体遺伝子の個数は 26種」と報告されています(今後、新しい遺伝子も発見されるかもしれません)。