近年、よく耳にする「フリーランス」という働き方。その特徴は「自分の好きなように働けて、頑張った分だけ報酬として返ってくる」ということです。今回はそんな魅力的に見えるフリーランスの実態を確認しながら、フリーランスとして生きることのメリット・デメリットを紹介していきます。
日本のフリーランス人口は推計462万人!
フリーランスと一口に言っても、実はその定義はあいまいです。例えば、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下、フリーランス協会)では「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」としています。
その一方で、内閣府では「特定の組織等に属さず、独立して様々なプロジェクトに関わり自らの専門性等のサービスを提供する」としています。また、内閣官房日本経済再生総合事務局は2020年に「事業を営んでいるが、従業員を雇用せず、実店舗を持たず、1次産業に携わらない者」を対象にして調査を行い、フリーランス人口の推計を行っています。
そのフリーランス人口の推計は462万人。国内労働人口の約7%にあたる数字です。さらに、株式会社クラウドワークスやランサーズ株式会社など、大手クラウドソーシングサービスの登録者が年々増加していることから、フリーランス人口は増加傾向にあると言って差し支えなさそうです。
フリーランスの年収や労働時間はどれくらい?
自由な働き方というイメージのあるフリーランスですが、年収や労働時間の実態はどうなっているのでしょうか。それを知るために、フリーランス協会が発行している「フリーランス白書 2020」を見てみましょう。
収入 | 割合 |
---|---|
400万円未満 | 45.4% |
400万~600万円未満 | 19.9% |
600万~800万円未満 | 11.6% |
800万~1000万円未満 | 10.0% |
1000万円以上 | 11.8% |
同協会が2019年10~11月に実施した調査の結果(回答者601名)では、フリーランスの収入は400万円未満が45.4%、400万~600万円未満が19.9%。600万~800万円未満が11.6%、800万~1000万円未満が10.0%、1000万円を超えるのは全体の11.8%となっています。
また、1ヵ月間の労働時間は100~200時間未満が約半数を占め、200時間以上の割合は17.0%。収入、労働時間ともに多様で、人によっては一般の会社員と同等もしくはそれ以上に稼いでいるフリーランスも多いことが分かります。
さらに特筆すべきは、働き方に対する満足度です。今の働き方全般に「非常に満足」「満足」を加えると83.6%に上ります。個別で見ると「社会的地位」「収入」では満足度が低くなっているものの、多くのフリーランスは自身の働き方に満足している傾向が強いと考えてよいでしょう。
フリーランスのメリット
フリーランスとして働くことのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
1.働き方を自由に決められる
2.頑張れば頑張るほど収入が上がる
3.全て自分の成果になる
1.働き方を自由に決められる
フリーランス最大の利点は、自分の裁量で決められることが多い点でしょう。会社から与えられる仕事をこなす会社員に対し、フリーランスは仕事を選ぶことができます。報酬が低かったり、取引先との相性が悪かったりすれば、仕事を断ることも容易です。また、休暇を取るのも自由なので、「1ヵ月フル稼働して、翌月は長期旅行に行く」といったことも可能です。
2.頑張れば頑張るほど収入が上がる
会社員であれば給料が決まっていて、昇給時期も決まっています。そのため自分がいくら頑張ったとしても、給料が急に上がることはなかなかありません。一方フリーランスは、仕事をすればするだけ収入が上がります。
スキルさえあれば会社員から独立して年収が倍になることも決して珍しくありません。実際、「フリーランス白書2020」によれば、会社員時代と比べて収入が上がったという人の割合は53.2%という結果が出ています。
3.全て自分の成果になる
フリーランスは働き方を自由に決められて、収入も青天井です。それらひっくるめて、自分の仕事は全て自分の成果になります。その成果が積み重なれば、それが自分の資産にもなります。
例えば、ブロガーやユーチューバーをイメージしてみてください。自分のコンテンツはその人のものとして残り、それが収入源になったり、信用になったりします。その資産が次の仕事を呼び込んでくれることも珍しくありません。