共働きにもかかわらず、ワンオペ育児・家事に悩んでいる人は多くいます。特に女性が悩むケースが多く、働いているのは二人とも同じなのに、育児や家事の負担が片方へ大きく偏ってしまうのです。

この記事では、ワンオペになってしまう原因とワンオペが辛い理由を解説します。ワンオペ脱出法についてもご紹介しますので、今悩んでいる人や不安を感じている人は、ぜひ参考にしてください。

ワンオペ育児・ワンオペ家事とは?

「ワンオペ育児・家事」とは、配偶者が健在している状態で、片方の配偶者が育児や家事のほぼ全てを担っている状態です。家事や育児では、妻がワンオペ状態になるケースが多くあります。一時期は飲食店などで話題になったこともあり、「ワンオペ」というフレーズは聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。配偶者が単身赴任などで家に帰れず、物理的に家事や育児ができないケースもあります。

専業主婦や夫が単身赴任である場合には、お互いに納得していることも多く、ワンオペ気味でも不満が出にくいものです。しかし、共働きでもしばしばワンオペが問題となっています。共働きでワンオペの場合、幼稚園や保育園のお迎え、仕事や家事と、朝から晩まで動き回らなければならず、ほっと息つく暇もありません。

共働きなのにワンオペになる理由

夫が単身赴任しているわけでもないのに、ワンオペになってしまっている家庭もあります。ワンオペになりやすい3つの理由をご紹介しますので、ご自身のケースに当てはまっていないかをふまえ、1つずつ確認してみましょう。

夫が「家事・育児は妻のもの」と思っている

ワンオペになってしまう原因として、夫が「家事や育児は妻がやるもの」と考えているケースがあります。例えば、夫自身の母親が専業主婦やパート勤務だった場合、「妻とはそういうもの」というイメージが染みついてしまうのです。

幼いころから染みついた認識はなかなか変えられず、自分で家事と育児をしなければその大変さはわかりません。共働きとなってからも、「家のことは妻がやってくれる」と考えがちなのが原因です。

そうした前提がある場合、夫は何かをするにしても当事者意識が少なく、「自分は手伝う側である」という考えが抜けません。

夫の帰りが遅く、手伝いを頼みづらい

残業や会社の飲み会など、帰りが遅い夫は多くいます。疲れて帰った夫に、家事や育児を頼むのは気が引ける、という人もいるでしょう。「手伝って」と伝えても、「疲れているから」と断られてしまえば、それ以上は言いにくくなります。仕事で忙しいから、家でくらいゆっくりしたいというのはもっともです。では、仕事のない休日はどうでしょうか。

夫によっては、平日のみならず休日まで「休みはゆっくりしたいから」と断られることもあり、そうなれば結局いつも家事や育児を負担してもらえません。家事や育児は誰かがやらなければならないため、結果としてワンオペになってしまうのです。

夫の家事・育児スキルが低い

夫自身が「俺は家事や育児が苦手だから手伝えることがない」と考えている場合があります。一人暮らしの経験があっても、外食ばかりで自炊はほぼしていなかったなど、実際に家事や育児スキルが低い人もいるでしょう。苦手でもやろうと思ってくれる夫ならばよいのですが、夫がうまくできなかったり、いつもとやり方が違かったりすると、妻はついダメ出しをしたくなるかもしれません。

そうした場合、ダメ出しをされることで苦手意識が強まり、夫はさらに家事・育児から遠ざかってしまいます。怒られるくらいならやらない方がよいのでは、と考えた結果、妻のワンオペとなってしまうケースがあるのです。

共働きのワンオペが辛い瞬間

共働きでのワンオペは、精神的にも肉体的にも辛いものです。特にどんな点が辛いのかをご紹介しますので、ワンオペになりかけている場合は「この程度大丈夫だろう」と思わず、ご夫婦で話し合うことをおすすめします。

一人でこなすタスクが多すぎる

共働きでのワンオペで辛いのは、単純にタスクが多くなりすぎ、時間が足りなくなる点です。多くの場合は朝から早起きをして朝食やお弁当を作り、子どもを保育園に送り届けてから自分も出社、帰宅後も家事や育児など、やることは山ほどあります。自分の時間が全く取れず、ゆっくりと一人でトイレにも入れないことも多くあるでしょう。朝から晩まで動きっぱなしなので、体力的にはもちろん、次第に精神的にも辛くなっていきます。

昔に比べ、現代は周囲に頼れる人が少ないのも、辛い点の1つです。代わりにやってくれる人や預ける人がいなければ、体調が悪くても一人でやらざるを得ません。

土日も休めなくて辛い

共働きのワンオペ主婦が辛い瞬間として、意外にも「土日」が多く挙げられます。夫は休みだからとリラックスしているのに、妻は土日でも家事や育児にと忙しく動き回っているパターンです。我関せずにゲームにテレビにと休んでいる夫を見て、つい苛立ってしまうこともあるでしょう。さらに子どもがいる家庭では、土日は保育園も休みになることもあり、一日中子どものお世話をしなければなりません。

保育園が休みの日にこそ人手が欲しいのに、夫が土日も出勤である場合もあります。ほかのママ友と会おうにも土日休みの家庭は誘いにくく、子どもが小さなうちは特にストレスが溜まりやすいかもしれません。

周囲の理解・協力が得られない

働き方への考え方は、柔軟に変わりつつあります。しかし、子育て世代への認識はなかなか変わらず、周囲の理解も得づらいものです。会社の上司や同僚に理解・協力を得ようと思っても、言い出しにくい場面は多くあります。

時短勤務にも後ろめたさがあり、子どもの不調で休めば同僚から後ろ指を指されがちです。「家庭は妻、仕事は夫」というイメージは現代も根強く、どうしても子どもが生まれる前のような働き方は難しくなります。

また、共働きを選んだのは自己責任と思われる節があり、夫が育児に協力したくても、上司などから「妻が休めばいい」と言われるケースは多いのです。

夫が協力してくれない

ワンオペで一番辛いのは、何といってもパートナーの無理解です。上記のようなケースでも、パートナーである夫に理解があれば、精神的な支えもあります。しかし、いくら訴えても聞いてもらえない、「遅くまで働いている俺の方が疲れている」という態度を取られれば、さらなるストレスの元です。

家事や育児の大変さを軽く見ている、仕事の方が大変だと思っているタイプの夫からは、むしろ「ゆっくりできていいな」と言われてしまうこともあります。

このケースでは、大抵の場合「たまには休みたい」と頼んでも、「休めばいいじゃないか」と言われるだけです。「俺がやるよ」とは言わず、溜まった分の家事を誰がやるのか、その間の育児はどうするのかまでは考えていません。