近年ますます共働き世帯が増えています。厚生労働省の調査によると、2016年時点で共働き世帯はすでに1129万世帯を突破。一方、夫だけが働いている世帯は664万世帯まで減り、「女性が働く」が当たり前の時代が到来しています。

この記事を読んでいる中にも、仕事をしながら家事や育児に奮闘している方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな共働きママたちに共通する家事・育児の悩みやもっと楽になるための秘訣を紹介します。

働きながら家事育児をこなすママの悩み

働きながら家事育児をこなすママたちは、どんな悩みに直面しているのでしょうか。特に切実な4つの悩みは次の通りです。

やることが多すぎて追いつかない

働きながら家事育児をこなすママはとにかく忙しいもの。仕事、家事、育児の3つをカバーするのですから、1日に処理すべきタスクは膨大。毎日スケジュールが立て込んでおり、常にやることに追われているような感覚が続くこともあります。

家事や育児に関しては、ひとつひとつのタスクは小さい場合もありますが、大量にたまると負担感を生みます。忙しいうえにさまざまなタスクが同時に発生すると覚えておくだけで精一杯になってしまうこともあるでしょう。これでは優先度が整理できませんし、取りこぼしの原因にもなります。結果として、ミスが起きやすくなったり、自分のために使える時間がまったくなかったりする状態になってしまい、ストレスを加速させます。

家事がおろそかになる

仕事、家事、育児という3つの役割に対して、ママの体はひとつしかありません。どんなに頑張っても手が回らず、家事が滞ってしまうこともあります。たとえば、夕食が作れない、掃除をするヒマがなく部屋が常に散らかっている、洗濯機いっぱいに洗濯物がたまっていることに悶々とするママもいるはず。とりわけ仕事を頑張った日は疲れていて帰宅後に家事をこなす体力が残っていないときもあるでしょう。

休日は滞った家事を片付けるのに追われて十分に休息できないので疲れが蓄積してしまい、さらに家事がおろそかになる。こうした負のループにはまってしまっているママも多いのではないでしょうか。

子どもを最優先できない

子どもを最優先できないことに罪悪感を覚えるママもいます。仕事をしている場合、夕食はどうしても帰宅後で遅めのご飯になりますよね。突発の案件対応などで残業が発生することもあるでしょう。結果として、夕飯の時間や入浴、寝かしつけが遅い時間にずれこみ、子どもの生活リズムが乱れる場合もあります。

また、子どもが熱を出してもすぐに早退できない、すべての学校行事に出席するのが難しいなどの問題も起こりがちです。送り迎えがネックになり、子どもに習い事をさせるのに躊躇してしまう人もいるかもしれません。

とにかく目の前の家事を片付けるので手一杯になり、子どもが満足するまで遊んだり話を聞いてあげたりする余裕がない日もあるでしょう。子どもと向き合う時間が取れないことはママにとってもつらいことですよね。

夫の協力が得られない

夫の協力が得られないことも、働くママたちの代表的な悩みのひとつ。日本では、共働きでも夫婦での家事育児の分担は、まだまだ妻に偏りがちです。ワンオペ状態から抜け出すために夫に家事や育児もっと参画してもらいたいと思っても、現状を打破するのはなかなか大変です。

たとえば、物理的に夫の帰宅時間が遅いと妻がその間の家事や育児を担うしかありません。また、毎日疲労困憊の表情で帰宅する夫にさらに協力をお願いしづらいというケースもあるでしょう。

あるいは、夫に意欲があってもそもそもの家事育児スキルが低く、戦力にならないといった声も多く聞きます。しかし、家事は女性だけの仕事ではありませんし、子どもは夫婦2人で育てるもの。ママひとりが頑張りつづけるのにも限界があります。

すべてが中途半端に感じる

奮闘している割に、すべてが中途半端になっていると思い悩むママも多いはず。いくらやる気があっても、子育て中に仕事にも全力投球するのは容易ではありません。子どもが大きくなるまでは時短勤務、フルタイムでも子どもの送り迎えのために残業できず、残った仕事をほかの人に頼むなどの調整は多くのママが経験していることでしょう。

仕事で自分の能力を発揮しきれないことはキャリアアップ機会の損失にもなります。特に、仕事で輝きたいママとしては、「本来ならもっとできるのに」と悔しさを感じてしまうでしょう。

ほかにも、子どもと向き合う時間が取りづらいことで子どもが寂しそうに見えてしまう、気になりつつも部屋の汚れや散らかりを放置しつづけることで気が滅入ってくるなど。こうした状態に徒労感を覚え、「自分が仕事をやめた方がいいのかも」と思いつめてしまうママもいます。