もしものときに必要な保険を考えよう

5.人生のリスクに備えて!結婚したら保険を見直そう
(画像=Monet/stock.adobe.com,『UpU』より引用)

家族の状況によって加入すべき保険も異なります。そこで、次の夫婦を例にどのような保険に加入すればいいのか、3つのケース別に見ていきます。

夫30歳:月収30万円
妻28歳:月収22万円(専業主婦の場合は0円)

共働き子どもなしの場合

まだ子どもがいない共働きの場合、夫婦のどちらかが病気やケガで働けなくなったとしても、すぐに生活に困ることはないかもしれません。困るのは入院や自宅療養などが長引いたときです。このケースでは以下の2つの保険を検討してみましょう。

・医療保険
入院、手術時に給付金が支払われます。

・就業不能保険
どちらかの収入が長期間途絶えたり、減額したりすると、生活が成り立たない、もしくは厳しくなる可能性があるのであれば、加入するという選択肢を検討してみてください。

30歳と28歳とまだ若い夫婦はそれぞれしっかりと収入を得ているのであれば、死亡保険金はそれほど必要ありません。ただし、この例の夫婦のように若くて子どもがいない夫婦の場合、遺族基礎年金は支給されません。不安に思うのであれば、定期保険の加入を検討してみてもいいでしょう。

専業主婦(夫)子どもありの場合 夫婦の一方が働く家庭は(子どもがいなかったとしても)、おもに収入を得る人(この例の場合は夫)が働けなくなった場合や死亡した場合、生活に困る可能性が高いです。まだ貯蓄が少ない間は、遺族年金で補えない不足額を保険で備える必要があります。

・医療保険
夫も妻もどちらも医療保険へ加入を検討しましょう。収入が得られない状況になった場合はもちろんですが、子どもが小さい間は家庭を支えている人が動けなくなると、ベビーシッターや家事代行業者への依頼、外食が増えるなど出費が予想されます。経済的な不安に備えるためにも加入しておくと安心です。

・死亡保険
夫はもちろん妻も子どもが小さい間だけでも加入しておきましょう。働き手である夫が亡くなったときは収入が遺族厚生年金と遺族基礎年金だけになり、収入が少なくなる可能性が高いため必須です。妻死亡時には夫自身の収入に加えて遺族基礎年金が支給されますが、子どもを育てていく上でも経済的に備えがあると安心です。

・就業不能保険
たとえ貯蓄が十分にあっても、入院など療養生活が長引くと、仕事ができず傷病手当金だけでは経済的に不安になることもあります。保険料を払う余裕があれば、検討する余地があるでしょう。

自営業の場合

自営業者の場合は会社員や公務員と違って、公的な保障が手厚くありません。子どもがいる場合、遺族基礎年金が支給されますが、子どもがいないと支給されません。会社員や公務員と違って、遺族厚生年金も死亡退職金などもありませんから、その分を保険で備える必要があります。

・死亡保険
自営業の場合は子どもがいないと遺族基礎年金が支給されませんので、自分自身の収入がない場合には保険で備えるしかありません。また、18歳以下の子どもがいれば遺族基礎年金が支給されます。それでも、十分な貯蓄や収入がない場合は、必要な生活費から遺族基礎年金を差し引いた分は保険で備える必要があります。

・医療保険
国民健康保険にも高額療養費の制度はあるので、医療費が高額になっても一定の金額を超えた分は後から払い戻されます。しかし会社員や公務員と違って、傷病手当金は支給されません。医療費の負担も踏まえ、自営業の方は加入を検討したほうがいいでしょう。

・就業不能保険
入院や自宅療養が長期化して、仕事ができず収入が全くない期間が長く続くと経済的に不安になります。医療保険と同様に加入を検討したほうがいいでしょう。

ライフイベントごとに見直しを

この記事では、結婚を機に保険の見直しをシミュレーションしました。一方でこれからの長い人生の間、結婚当初とは状況が年々変わります。子どもが生まれたとき、家を購入したときなど、ライフイベントごとに保険の見直しをしていきましょう。家族構成や貯蓄額、働き方によって、公的な保障も変わり、備える保険も違ってきます。そのタイミングにあわせて保険を見直していくことが大切です。

黒木 留美(くろき・るみ)
ファイナンシャル・プランナー
AFP、ファイナンシャルプランニング技能士2級
大手生命保険会社の法人営業などを経て、独立後、確定拠出年金の第一人者山中伸枝氏主宰の山中塾に入り、保険も投資信託も売らないファイナンシャル・プランナーとして活動。企業型確定拠出年金の投資教育の研修講師、地元専門学校でFP講座の講師、一般の人向けに投資未経験者の最初の一歩をサポートするセミナーや個別相談を行っている。

提供・UpU

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