人は退屈を嫌う
意外に思われるかもしれないが、3つ目の理由は退屈しのぎである。これは、仕事よりも人間関係で多く見られる。人は本来、なんの刺激もない、誰にも相手にされていない状態を苦痛に感じ、刺激を求めるものである。
冒頭で挙げた「誘いを断ってもまたしつこく誘われる」ケースで考えてみよう。仕事にも慣れ、社内の人間関係も落ち着いている。特に不満はなくても、どこか退屈な毎日。これを打破しようと誰かを誘うのだが、断られること自体は良くても、「忙しくて時間がない」「そこまで密に付き合いたくない」といったところまで受け入れてしまうと、もう誘えなくなってしまうので、都合よく「たまたまタイミングが悪かった」と思い込むのである。
これは無意識にやってしまうことが多い。過去の恥を晒すようだが、私も昔、職場の女性とたまたま目が合い、ニコッとされただけで「自分に気があるのでは」と解釈し、何度かアプローチしたことがある。まったく相手にされずショックを受けたが、思い返すと仕事も職場の人間関係も落ち着き、どこか刺激が不足していた頃だった。
退屈しのぎ型への対処はシンプルだ。例えば、負担になりすぎない程度の仕事を頼んだり、趣味になりそうなものをいくつか紹介したりする。人に絡む以外の方法で退屈しのぎをしてもらえるよう考えれば良い。
都合よく解釈する人には、そうしなければ困る理由が必ずあるものだ。鬱陶しく感じるだろうが、感情的にならず、どの理由に当てはまるか見極めてみてはいかがだろうか。
文・藤田大介(DF心理相談所 代表心理カウンセラー)/ZUU online
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