年間500店もの書店が廃業している

書店はもっと苦しい状況を強いられています。あるメディア調査によると、1999年に約2万2300店あった書店は、2015年には約1万3500店に減少しました。この17年間で8800店もの書店が消えてしまったのです。単純平均で毎年500店の書店が廃業している計算です。

一方、電子書籍は順調に伸びています。インプレス総研の発表によると、2015年の売上げは1600億円で年々増加する傾向にあります。

電子書籍に寄せる期待は大きいのですが、出版業界全体の売上げの中では、まだまだ少ないです。しかも、売上げの8割はコミックが占めていて、文字が中心の書籍にとっては厳しい状態です。

雑誌の売上げが書籍を41年ぶりに下回る

雑誌の売上げも厳しいものがあります。出版科学研究所の「出版月報」によると、雑誌の売上げが書籍の売上げを下回りました。これは41年ぶりのことです。

2016年1~11月期の書籍の販売金額は、0.8%減の小幅な落ち込みにとどまりましたが、雑誌の販売金額は6.4%減で、書籍よりも雑誌の売上げの落ち方が大きくなっています。書籍と雑誌の合計では前年比3.6%減で、2005年以来の12年連続のマイナスです。

2016年度の販売金額予測は、書籍は7300億円、雑誌は7200億円、合計で約1兆4500億円になる見通しです。

このように出版業界は、まだまだ「冬の時代」が続きそうですが、流通などの意欲的な改革に期待しています。活字という素晴らしいコンテンツを持っているので、それを活かしながら活路を見いだしてもらいたいものです。

文・長尾 義弘(NEO企画代表、ファイナンシャル・プランナー、AFP)/ZUU online

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