どの制度を選ぶべき?自分に合う方法を選ぶには

3つの税制優遇制度は、それぞれ異なる特徴を持っています。あらかじめ自分に合った制度を選択する必要があります。

NISAに向いている人

  • まとまった資金を投資したい
  • 株式投資がしたい NISAは積極的に投資にチャレンジしたい方に向いています。つみたてNISAやiDeCoの枠では足りず、もっと大きな金額で運用したいという場合や、日本株や外国株の個別銘柄など投資信託以外にも投資したい場合に便利な選択肢となるでしょう。

    つみたてNISAに向いている人

  • 投資先をある程度絞られたなかから選びたい

  • コツコツ投資をしたいけど、何かあったときのために動かせるお金にしておきたい つみたてNISAは100円から始められること、商品が投資信託に限られていることなどから、「投資をやってみたいけどまだ不安がある」という方に向いています。原則、引き出しができないiDeCoと異なり、自分のタイミングでお金を引き出せる点も魅力です。比較的リスクが少ないつみたてNISAからスタートして徐々に投資経験を積んでいくという使い方ができます。

    iDeCoに向いている人

  • 老後資金を確保したい

  • 金銭的に余裕がある iDeCoに向いているのは、ずばり「老後資金の準備をしたい方」です。なんといっても、NISAやつみたてNISAにはない税制上のメリットが魅力です。特に比較的お金に余裕のある方は、60歳まで引き出せないデメリットを感じにくく、年収が高いと所得税率が高いぶんiDeCoの節税メリットを強く感じられるのではないでしょうか。

    2つの制度を組み合わせることもできる

    NISA、つみたてNISA、iDeCoの利用を考えるとき、利用する制度は1つに絞らないといけないわけではありません。以下のような組み合わせなら、2つの制度を併用することができます。

・NISA+iDeCo

併用例:iDeCoを上限額まで利用して老後に備えつつ、まだ投資に回せる余裕資金を使ってNISAで株式投資に取り組む

・つみたてNISA+iDeCo

併用例:iDeCoには60歳までお金が引き出せないデメリットがあるため、iDeCoは老後への備えプラス節税策として利用。一方でいざというときにお金を自由に動かしやすい、つみたてNISAにも分散投資し、リスクを抑える

NISAとつみたてNISAはどちらか一方しか利用できません。自営業の方などは、老後資金を準備するための制度として「国民年金基金」や「小規模企業共済」がありますので、あわせて検討するとよいでしょう。

NISA、つみたてNISA、iDeCoはどうやって始める?

NISA、つみたてNISA、iDeCoを活用した投資を始めたいと思ったら、次のような手順を踏みます。

手順1:利用する制度と予算を決める

先述の各制度のメリット、デメリット、向いているタイプなどを踏まえて、どの制度を利用するのか決めます。次に、その制度を使っていくら投資するのか考えましょう。

その制度で利用できる枠(投資可能額)いっぱいまで商品を購入するというのも1つですし、自分の経済状況や投資経験によってはまずは様子見で少しずつ購入額を増やしていくというのもいいでしょう。

なお、つみたてNISAの積立額の変更はいつでもできますが、iDeCoの積立額変更は年に1回までしかできません。NISAはいつでも購入・売却ができますが、売却した分の非課税投資枠が空くわけではありません。一度上限まで投資して全部売却したら、次は来年の枠が使えるようになるまで待たないと非課税になりませんので注意しましょう。

手順2:運用する商品を選ぶ

投資というと株式投資というイメージをお持ちの方も多いですが、投資信託も初心者に人気があります。高いリターンを求めればリスクも高くなり、リスクを抑えれば期待できるリターンも下がるのが投資の原則です。

どんな投資をしたいのか、いつまでにいくらくらい増やしたいのか、どれくらいのリスクまでなら許容できるのか考えて、自分の目的に合った銘柄を選びましょう。

手順3:金融機関を選んで口座を開設する

投資先を選んだら、次はその投資を実行できる金融機関を選びます。証券会社で口座開設する方が多いですが、各社で取り扱っている商品の種類やラインアップ、手数料、使い勝手、サポート体制などが違います。いくつか比較して選ぶようにしましょう。

最近は手数料が安く、開設から購入・売買などすべてオンラインで完結できるネット証券で口座開設する人が増えています。

どんな投資をしたいか考えて、自分に合った制度を選ぼう

NISA、つみたてNISA、iDeCo、この3つには明確な優劣があるわけではありません。どれが最適なのかは、選ぶ人の家計の状況や価値観などによって変わります。それぞれの制度の違いを把握して、自分に合った制度と運用方法を選びましょう。

提供・ANA Financial Journal

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