資産運用を始めるには、まず何をすればいい?

資産運用を始めるためには、次の4つの手順を踏みます。

手順1:家計を整理して投資に回せる金額(余裕資金)の目途をつける
手順2:どんな投資に取り組みたいか考える
手順3:それを取り扱っている金融機関を選ぶ
手順4:手続きする

資産運用の手順1:家計を整理して投資に回せる金額(余裕資金)の目途をつける

投資は、基本的に元手資金が多い方が効率よくお金を増やせますが、なくなっても生活に困らないくらいのお金(余裕資金)で取り組むのが基本です。元本保証がなくお金が減ってしまう可能性があるものに投資するときは特に意識しておきたいところです。

自分の貯金額を把握して、日々の生活費に充てる分、直近5年程度で使う予定がある分、病気や冠婚葬祭など臨時の出費に備える分を差し引いた分を余裕資金と考え、いくら用意できるか計算してみましょう。

資産運用の手順2:どんな投資に取り組みたいか考える

元手資金をいくら用意できるか、いつまでにいくら増やしたいか、どれくらいのリスクなら許容できるかなどによって選ぶべき投資が変わってきます。自分の考え方に合った投資を選びましょう。

資産運用の手順3:それを取り扱っている金融機関を選ぶ

定期預金や国債などは銀行、株式や投資信託などは証券会社、保険は保険会社など、投資先によって扱っている金融機関が違います。また、同じ「銀行」というカテゴリーでも、銀行ごとに金利や手数料やサービス内容などが違います。手順2で考えた、自分が目指す投資を実現しやすい金融機関を見つけましょう。

資産運用の手順4:手続きする

投資先や金融機関が決まったら、実際に投資するための手続きをします。口座開設、運用商品の購入、契約などの手続きがありますが、今はその多くが金融機関のホームページなどを通じてインターネットで済ませられるようになっています。

資産運用を成功させるコツ

最後に、資産運用を成功させるコツを紹介します。

資産運用を成功させるコツ1:長期的な視点で取り組む

資産運用に取り組んだからといって、一朝一夕でお金が増えるわけではありません。お金が急激に増える可能性がある投資は、お金を急激に失う可能性もある投資ですので、初心者にはおすすめできません。

すぐに結果を求めるのではなく、年単位、ときには数十年単位など長い目で見て取り組みましょう。先述のとおり、運用できる期間が長いほどお金が増えやすくなります。

長期的な視点を持っていると、日々の値動きに一喜一憂しにくくなるのもメリットです。一喜一憂が過ぎると、それが気になって仕事に集中しにくくなったり、投資中に「○○ショック」のような暴落のタイミングがあったとき、焦って高値で買ったり安値で売ったりして損失を出しやすくなります。

資産運用を成功させるコツ2:リスクを抑えて大失敗を避ける

再起不能なくらい大きな失敗をしてしまうと、それ以上の投資ができなくなりマイナスが確定してしまいます。最初のうちは特に「大きく勝つ」より「負けない」ようにすることで、投資を長く続けることができ、一時的に多少マイナスになっても挽回するチャンスが生まれます。

リスクを抑えるには、「分散投資」が有効です。たとえば、1社の株だけでなく複数社の株を購入する、製造業の株だけでなく小売業や金融業など他業種の株も買う、株だけでなく債券にも投資する、など投資対象を集中させないことです。

投資対象だけではなく、投資のタイミングも1回ではなく複数回に分散させるのがおすすめです。毎回決まった間隔で決まった金額ずつ投資していく「積立投資」は、一度設定しておくだけでこの分散が自動的に実践でき、元手資金が少ない方や初心者でも取り組みやすいためおすすめです。

資産運用を成功させるコツ3:NISAやiDeCoも知っておこう

これから資産運用を始めてみたいという方は、ぜひNISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)といった税制優遇制度についても知っておきましょう。これらの制度を利用すれば、投資で得た利益にかかる税金を通常の「20.315%」から「非課税」にすることができます。

NISA、つみたてNISA、iDeCo、それぞれ特徴があります。自分が取り組む投資に利用できそうか事前にチェックしておくとよいでしょう。

▽NISA、つみたてNISA、iDeCoの違い

NISA つみたてNISA iDeCo
税制優遇 投資の運用益が
非課税
投資の運用益が
非課税
・投資の運用益が非課税
・掛金の全額が所得控除
・受け取り時も控除あり
非課税金額 年間120万円 年間40万円 月額1万2,000円~
6万8,000円 (職業などによる)
非課税期間 最長5年間 最長20年間 60歳まで
投資できる銘柄 株式投資信託、
国内外の上場株式・
ETF・REIT
(不動産投資信託)、
ETN(上場投資証券)、
新株予約権付社債
(ワラント債)
金融庁が「長期・
積立・分散投資」に
適していると認めた
投資信託・ETF
定期預金や保険などの
元本保証商品、投資信託
(1金融機関あたり
数本~40本程度)
お金の引き出し いつでも可能 いつでも可能 原則60歳まで不可

まとめ:自分に合った投資先を見つけて、資産運用に挑戦しよう

資産運用にはハイリスク×ハイリターンなもの、ローリスク×ローリターンなもの、多額の元手資金が必要なもの、税制優遇制度が適用できるものなど、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を見極め、自分に合った方法を選びましょう。

提供・ANA Financial Journal

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