「興味はあるが、実際には手をだしにくい」が女性の本音

それでは投資に関心のある女性は少ないかというと、決してそうではない。

UBSが過去2年間にわたって実施した調査からは、88%の女性が社会福祉促進事業への投資に興味をいだいていることなどが判明している。つまり「興味はあるが、実際には手をだしにくい」「どこからどのようにして投資を始めればいいのかわからない」といった初歩的なバリアが存在するということだ。

前述したように知識や自信の欠落が原因で、多くの女性が資産を育てるチャンスを逃している。投資をより身近なものとして体感できる最適な環境が整えば、女性の投資家としての才覚がどんどん開花していくと期待できる。

包括的な経済成長を期待

UBSは新たなプロジェクトに向け、この分野の専門家育成に2年を費やしたほか、2012年以降は女性のための金融シンポジウムを毎年開催するなど、着実に女性投資家を育てる環境を整えてきた。

ウェルスマネージメント改革の具体案としては、今後5年にわたり女性の観点から見たサービスを取りこんでいく。

女性顧客にアピールする投資商品を開拓する一方で、多様性と持続可能性の高い長期的な投資の機会を提供するなど、女性が受けいれやすい投資環境を整えることが最優先事項となる。

また未来の女性投資家を育成する意図で、2021年までに大手教育機関と提携した女性向け金融リテラシー・プログラムなどを企画している。

このプロジェクトの指揮をとるマネージング・ディレクター、マラ・ハーヴェイ氏は、リテラシー教育が少なくとも100万人の女性投資家の育成に役立つことを目標にかかげている。

男女格差や所得格差が国際規模で社会問題化している現在、包括的な経済成長を促進する画期的な試みとなりそうだ。
  
文・アレン琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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